追記

帰る時間になり、
出口まで看護師さんが車椅子を押して
父に
お見送りしよ!
ほら!お孫さん手握ってあげて!
おじいちゃんって!
そう言いながら、娘と父の手を握らせました

やはり父は娘に反応してはいましたが
声をかけても誰とも目を合わせようとしません

ドアの外にでて、エレベーターが来るのをまちながら、また来るからねと手を振っていると
父はシクシク泣いていました

よく父方の祖母が痴呆になってから言っていました

どこのどちら様かわかりませんが
こうして来てくれるんだから
きっと知った人なんでしょう
すみませんねぇ
わからなくて
わざわざ、ありがとうございますねぇ

父もきっと、
誰なのかハッキリしなくても
自分のために来てくれた
自分を知る人なのだとは思っているんでしょう
その人達が帰ってしまうのは寂しいのでしょう

無表情の時間も多いけど
父の中にはまだ
よろこびも
幸せも
怒りも
恐れも
寂しさも
辛さも
あって、

どうしても
怒りが目立ってしまうけど

どうか神様
安らかな幸せな感情をできるだけ残してあげて下さい
どうか神様
怒りや辛さ、恐れや寂しさばかりを残さないであげて下さい

そう願わずにはいられません

もう長い間
ずっと1人で
たくさんの怖い思いをして来たし
寂しくて辛い思いをして来たんですから

どうか神様
お願いします