※ややネタバレありますが、結末については書いていません。
今日封切られた『エリザベート1878』を見てきました。
すごくインパクトの強いポスターですが、このイメージで想像していたら全然違っていました。
1837年12月生まれのエリザベートの、40歳の1年間をドキュメンタリータッチで描いた物語。
私の(と言うか我々の?)知っている『エリザベート』とは全く違う。
もっと生々しく、もっと苦しい。
エリザベートもただ悲壮な現実から逃げてるだけの人ではなく、それに抗うために誰も予想できないような大胆な行動を取ったり、いろんな才能の片鱗を見せたり。
自分の価値が美貌だけだとは自分では決して思ってはいないのに、そこに価値があることも十分わかっていて、損なわないように努力する姿は、よく知っている(?)エリザベート。
見ていてしんどかったのは、フランツがミュージカルで見知ったフランツではなくやはり“皇帝”で、人間臭く結構嫌な所もある人で(しかもちょっといやらしかったり)、エリザベートに対しても権力を感じさせたり、愛してるのは美貌だけなんだな、顔が好きだったから結婚したんだなやっぱり…ってわかってしまうところ。
そして、子供たち(ルドルフも)の方が常識をわきまえていて、エリザベートを異端のように感じてる部分があからさまに表現されているところ。
エリザベートは子供たちをとても愛していて、素直に愛情表現もしているのに、娘には受け入れてもらえないのも辛かった。
けれど、エリザベートが一番愛してるのは自分自身であり、自分を曲げたり譲歩したりするのが苦手な人だったから、幸せになることが出来なかったんだろうなと感じました。
馬に乗って駆け回る姿が何よりエリザベートらしい瞬間だったのかも。
そうそう、馬に乗るのに跨がないで横乗りするのにはビックリ!
あと、馬場に真っ白なグランドピアノを設置して、生演奏を聴きながら乗馬する姿はシュール
とは言っても、舞台で感じていたほど、映画の中のエリザベートは孤独だとは思わなかったです。
愛してくれる人、理解してくれる人もいて、むしろエリザベートが振り回している感じに、意外と孤独な人ではなかったのでは?と思わされました。
結末は史実と違う形での衝撃のラストだったけれど、そこに爽快感を感じてしまったのは、エリザベートが自由を手に入れたと思えたからかな。
主演のヴィッキー・クリープスさんはエリザベートのような美貌の方ではないけれど、とても素晴らしい演技で魅了されました。
トート閣下がいない分生命力に溢れたエリザベート。
案外たくましく、闘う女性だったのかも。
どこまでが真実でどこからが虚構なのか見極めることなど出来ないけれど。
セットや自然いっぱいの光景もきれいで、シェーンブルン宮殿の庭やホーフブルク宮殿の正面入り口辺りもロケ地になっていて、なんか懐かしかったです。
原題は『Corsage(コルサージュ)』。
コルセットのフランス語のようですが、当たり前ですがこちらの方が映画の内容にしっくり来ます。
ま、そのタイトルでは日本では興味もたれにくいかもだけど?!
公式ホームページに「宝塚歌劇団」の名前や小池先生のコメントも出ています。
タカラヅカでの再演はいつかなぁ…。
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