神奈川県から取り寄せたドバミミズが、今日の熱波で

半分が溶けて死んでしまった。

 わずかに残ったので、仕事を切り上げ、猛暑を避け

19時 時合に合うように河川敷きに到着した。

 

夕方の帷が落ちて、西の空が赤く染まり、

やや黒い雲の接近もあったが、雷雨は来ないと想定して

竿を準備した。

本流にワンドが合流する絶好のポイントで、かつて料理人が

夜釣りでうなぎをよく釣った伝説の場所だ。

 

右前方に目をやると、小鷹網うちの名人Oさんが、

流心近くにやはりマスを狙って竿をだしている。

 こちらからは約100Mの距離だ。

餌は、シラハエの生餌だろう。

 

 蝙蝠が飛来する時間、ドバミミズを房掛けして、流心に投じた。

 

わずか数分後、

 

ギャラリーが近づいてきたとき、激しい鈴の音と引き込みに竿を

合わせた。

ガツン!でかいのが、竿に乗った感覚。

 

 ラインが一気に走る。

テトラポットに潜られるのを必死に耐える。

 

左手が満身創痍だ。

 

額に汗。

 

まったく、そいつは、動かない。

 

まるで、この流れを楽しむかのような気配だ。

 

気と気の勝負だ。

 

何度もこうした大物に遭遇しているが、気持ちで負けると絶対に

ラインを切られる。

 

先日つい下流のムーチングで47㎝超えの大物が釣られたとの話も

耳にしている。

 

竿のうなりから絶対に コイやニゴイの類ではない。

 

15分以上格闘したが、ば~( ,,`・ω・´)ンンン? と錘下の5号

ラインが切れて負けた。

 

がっかりすると同時に

やはり でかいのは存在することが唯一の喜びに変わった。

 

かつてのサツキマス獲りの名人は

「長良川の女王は、臆病で、賢いぞ。簡単には釣れんし、網にもかからんのや」

 

それでも 手には確かな振動を感じた夜である。