1980年頃単身 渡仏したのは、自分なりの思考があったためである。

フランス外人部隊に所属したという柘植久義 著「サバイバル バイブル」を

トランクにいれ、ミュシュランの地図と「地球を歩くガイドブック」。

 

19歳。怖いものしらずのだったが、極真空手の胴着と稽古の自信があったのも

大きな理由である。

歯学部受験に失敗したが、

日本の大学に進学する以前に 海外の地をこの身ひとつで

試そうとの思いであった。

 

懇意にしていた叔父からの言葉は

「人の知らない外国の地で、歩き、その地のものを食べ、糞をしてこい。

その体験こそが、血となり、汗となるのだ」

到着後も、

行き当たりばったりで 探したアパートの大家さんが、語学の堪能な

方で 直接 フランス語と英語の指導を頼み込み、

持参したFMラジオをつけっぱなしにして

 

耳から言語を繰り返し吸収した。

 

その傍らで 素足で 厳寒のパリ市内 サンジェルマンデプレの石畳を

空手胴着でひた走る 孤独の日々。

 

道場には、到着の挨拶もそこそこに

黒帯とのスパーリングが待っていた。

 

母国日本の誇りと気概で、誰よりも早く革のサンドバックを蹴り込み

鍛錬した。

 

ある女性を守る為にひたすら稽古する中で

極真パリ支部長 5段との組手で 必死の手刀を首に

一矢報いたことが、無審査の黒帯を手にした。

 

座禅

 

5㌔のラン。

腹筋運動100回

拳による拳たて 100回

スクワット 100回

目の高さへの蹴り100回

サンドバック蹴り込み500回

当時の手帳の記録である。

 

20歳 帰国後、自宅独学での

受験の末に 国内の理系 大学に進学した。

 

専門学部があった東北の沿岸部での3年間

この時の体験が、さらに自分を進化させる契機になった。

 

「絶対に負けてたまるか。なにくその精神。これが人生の基本である」

 

道場訓にもある

神仏を尊び、親、先祖、兄弟、子供、友人を大切にすること

 

武士道精神

 

「学びは1冊の書にあり。TV、マスコミ、スマホを遠ざけ、ひたすら

鍛錬すれば自ずから 道は開ける。」  (明日のために  その③)