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MYSELF~ライトノベル作家・古瀬舞ブログ

宝塚出身のライトノベル作家、古瀬舞のブログです。

本来なら年明けにふさわしく

明るい話題を書きたかったのだけど

パリの事件を見て心を痛めてしまった

思想信条によって価値観が違うのは分かるが

人間同士が殺しあうのはやはり悲しいことだ



時はさかのぼるが、自分が子供の時、

周囲の大人が意地を張り合う姿を見て

どうしてもっと素直になれないのか

不思議に思っていた

だが自分がいざ大人になると

その難しさは嫌というほどよくわかる

いまの自分が違う価値観と向き合うことに

恥ずかしさを感じてしまうのだ



今回の事件に関しても、双方が話し合う前に

話がこじれて、結果、ヒートアップしてしまった

もちろん表現の自由が重要なのは確かだし

テロ行為は禁止されるべきだと思うが

死者が出てしまった以上、そこへ至るアプローチは

不適切だったといわざるを得ない。



結論から言えば、現代の世界は

悲しみを吐き出す場所がないのだと思う

甘えるなと言われてしまいそうだが

本人にとっては大変苦しい問題だ

そしていつしか怒りは爆発し、

社会は事件を起こした者を排除する



本来、人と人が仲良くするのに

高等な議論は必要ないはずだ

それは子供たちが証明している

だが我々はまだ深いジレンマの中にいる

知識や常識を積み重ねて相手の考えを論破する。

それが正義だと信じてしまっている

だからいつまで経っても分かり合えない



そんなことを考えているうちに

小学校時代の学級会を思い出した

一人の男の子が俯いたまま静かに答える

「○○君にそんなことをされたら悲しい」

文明はどんなに進んでも、人の心は変わらない

こういう事件を見ると我々はすぐに

相手と自分の違いに目を向けてしまうが

その答えは案外シンプルなところにあるのだと思う