鶏の餌用に植えてあったチシャ(レタス)の葉を岩塩で煮て食べる日が続いていました。
主食はカライモ(サツマ芋)で日に三度これを食べると胸がハツガルイゴチヤ(張りさけるようだ)と母が申しました。
こんな或日母宛てに小包が届きました。
堤象従兄からのものでした。
この何もない時に一体何が送って来たのだろうと開けて見ると、特大の鰹節が五本入って居りました。
味噌汁のダシにも鰹節を使う母は早速、味噌汁を作りました。
お椀に一杯だけ貴重品のように持っていて、時々舐めていた味噌です。
処がダシが少しもきいていないのです。
特大カツブシだからと景気よくたくさん入れたのにどうしたことでしょう。
母は今更らのように大きなカツブシを手にとって匂いをかいで見るのでした。
枕崎からカツブシ売りに来ると、母は慎重に爪で弾いてみたり匂いをかいだりして選んで買っていたのでしたのに、鰹節だと余り喜んだ為匂いもかいで見る余裕もなく使ってしまったのでした。
「鮪節ぢゃよ、鮪節ぢゃ」、成程鮪なら鰹より大きいのでこんな特大カツブシが出来たわけです。
ダシが出ないとなると削って食べるしかありません、毎日せっせと削って食べました。
削って食べるとおいしくて、従兄の好意を有難いと思いました。