義母が闘病中の頃のこと。

義母がベッドから
息子(主人)を呼びました。
主人が義母のところに行き
顔を見せたら義母は、
「◯◯(←主人の名前)を呼んでほしい。
あなたが◯◯?
私が会いたいのは息子の◯◯です。
この人?
違う。
こんなおじさんじゃない。
◯◯に会いたい」
と、泣きました。
みんなで、
「この人が息子だよ。
このように成長したのだよ。」
と説明しても、
義母は、
「違う違う、◯◯に会わせて、
私の◯◯をどこにやったの?」
と泣きました。
そして、
「息子は4年生だ」と言うので、
当時の写真を持ってきて 
「この子?」
と子供の頃の主人の写真を見せました。
すると、
「そうそう‥あぁ、私の◯◯‥」
と言って、写真を撫でて泣きながら
主人の子供の頃の思い出を
とても愛しそうに
しみじみと語り始めました。

「こんなおじさん違う」って
言わた主人は複雑そうでしたが、
それでもこの時、私たちは、
義母の深い愛に感動して
涙をこらえながら聞きました。

それから数ヶ月して、
義母は亡くなりました。

そんな大切な息子に
看取られ旅立った義母は
きっと、幸せだったことでしょう。
私も子どもがいるので、
死を前にしてもなお、
子を愛おしく思う義母の気持ちが
わかるような気がします。

昨日、昼寝をしている
高校生の息子の顔を見ていたら
なんだかとても愛おしくて
ふと、この出来事を思い出しました。
義母もきっと、
こんな思いで子育てしたのかな‥