親子座禅、はじめました・その3 | お母さん、火って何から出来ているの?(旧)

お母さん、火って何から出来ているの?(旧)

イラストレーター古田真理子の、子どもと格闘する家庭学習の記録。またはお仕事の記録。

この記事は、前回の続きです。(長文注意)

親子座禅、はじめました・その1

親子座禅、はじめました・その2


小学校入学の前に、タロウに「小学生になるための注意点」を説明した私。

お母さん、火って何から出来ているの?

小学校では、勉強をするところであること。
勉強をするときには、勉強ができることだけが大事ではない事。
先生の話を聞く、指示を聞く、落ち着いて座る、ということも大事であること。

実は前日にあったタロウの小学校受験での親子面接が、あんまりの彼の落ち着きのなさ故に、散々な出来だったということもあり。
(多分、学校から注意を受けたのもこの面接の態度故だと推測されます・・・。私もあんなヒドイ態度を我が子がするとは予測外で。面接後は私の怒りが爆発し、彼も珍しくシオレていました)


タロウは、かなり神妙な態度で私の注意を聞いていた様子でした。


「だから、小学校で落ち着いてチャンとした生活を送れるよう、練習をしよう」

という私の提案に、「やる。がんばるグー」 とやる気を見せていました。







さて、その親子座禅
タロウには、「座禅」と言ってもよく分からないだろうと思い、その趣旨を明確にするために、我が家では

「すわるれんしゅう」

と命名しました。




【すわるれんしゅう】の場所は、我が家のリビング。
ハナが起きていると出来ないので、彼女がお昼寝するタイミングを狙いました。

座禅といえばあぐらのイメージですが、子供にあぐらをかかせることはあまり本意ではなかったし(ま、あぐらも必要なシーンもあるのでしょうが)、まずは「きちんと座る」ことを主目的としたかったので。
リビングのソファに浅く腰掛ける、というのを基本姿勢としました。

時間は15分間。

テレビは消して、周りを静かに保ちます。




お母さん、火って何から出来ているの?
「さぁ、じゃぁ、【すわるれんしゅう】 するよ。 座って」


お母さん、火って何から出来ているの?
「はーい」


座る場所は自由、としました。ただし、一度座ったら動かない事。

で、タロウはしばらく座る場所をごそごそと探し、納得いく場所を選んで、座ります。
最初の頃は変な場所(ソファの肘掛けのところとか、ドアの裏とか)に座ろうとしたこともありましたが、落ち着いて座れない場所はダメ、というルールにしました。座る場所はソファもしくは椅子のみ。

そして足を揃えて座り、二人の身体が触れないように距離を保ちます。
(触れ合うと必ず「おふざけ」に発展するから)





はじめる前には、

「では、よろしくおねがいします」
お母さん、火って何から出来ているの?

と挨拶。


そして、「じゃぁ、今時計の長い針が 3 だから、 6 のところまでね」 と時間を決めます。
お母さん、火って何から出来ているの?


あとはひたすら、15分間、ひたすら黙り、背筋を伸ばし、座り続ける。

やることはといえば、それだけです。




時計の針の音を聞きながら、チクタクチクタク…

お母さん、火って何から出来ているの?


ちなみに目は閉じません。(眠っちゃうから)
呼吸法は、特に意識しませんでした。(タロウにとっては難しいだろうから)


たまにタロウがヒソヒソと話しかけたりすると、「しぃっ!ドンッ」。
姿勢がくずれると「せなか!ドンッ」と、【喝】をいれます。



そして私はひたすら、瞑想。
タロウは瞑想できてるかどうかはわかりませんが、ひたすら「じっと座る」姿勢を維持します。


私はこの、瞑想をしている時間の「静けさ」が好きです。

チクタクチクタクと…時計の音。
時折、鳥の鳴き声が窓の外から聞こえる。
ブロロロローと表の通りを、車が走り抜ける音も、聞こえたりします。




私はその間、
「今晩のおかず、どうしようかなー」とか
「仕事の進捗、どうだったかなー」とか考えたりもします(笑)

しかしそのうち、すーっと、ぼーっと「無」になったりもして。
座禅とは本来、こういうものであるらしいのですよね。
なんとなく、こういう「無」の境地に達したあとは、確かにその後の気持ちがスッキリ、落ち着くのです。

一方、我がタロウはといえば


時計を穴のあくほど見つめていたり
お母さん、火って何から出来ているの?
(1分ごとに「あと何分!?」と聞いていた…)



全身びっくりするくらい揺れてたり
お母さん、火って何から出来ているの?


変な呼吸をしていたり
お母さん、火って何から出来ているの?
(過呼吸、ではなさそうでした。単にふざけてたのでありましょう)



全身たえまなく触って掻いてみたり
お母さん、火って何から出来ているの?
(タロウはアトピーの気があるので、緊張したり、ここぞという場面では身体のアチコチが痒くなるらしいのです…まぁこれは咎めると可哀想なので基本放置。あまりにも痒そうだと一時中断して薬を塗ったりしてました)



なんだかイロイロイロイロ、落ち着かないんですがダウン

ま、でもとりあえず、細かいことは言わないことにして。

「姿勢良く座る。しゃべらず、立ち歩かない」ということだけを努力目標としました。




たかが15分間、されど15分間。



考えてみれば、これまで、15分ほどの時間を、私はタロウと会話もなく、ただ差し向かいで過ごし続ける、ということはしたことがありませんでした。

ハナは、比較的私が無言でも大人しく座っていてくれるのですが、タロウはもう本当にダメ。
小さい頃から落ち着き無く、いかに「おとなしくさせるか」というのは、外出するときの課題でした。

例えばレストランの待合室などでも、すぐに落ち着きをなくすタロウに、私は「他に迷惑をかけてはいけない」という思いから強迫観念のように、彼を飽きさせないようしゃべりかけ、絶え間なく遊びをもちかけていたような気がします。

赤ちゃんのころはそれでも良かったのかもしれませんが、幼稚園年中に至るまで、そのような対応をしていたので。
「落ち着きをなくす」要因を作っていたのは、私にもあったのかなと…。
「落ち着かない」のは、私だったのかなーと。

そんなこんなで、外出先だとなかなか、落ち着けなかったのですが。
その点、家での「すわるれんしゅう」ならば、「大人しくさせなくてはならない」「他人に迷惑をかけてはならない」という脅迫観念がないので、こころおきなく、静けさを楽しめるし、タロウの姿勢にもビシバシと注意を入れられます。

なので、私も気がラク、なのです。



そしてたいてい、終わる時間1分前くらいになると

「おかあさん、あと何分?」
お母さん、火って何から出来ているの?

お母さん、火って何から出来ているの?
「あと、1分」 


みたいなやりとりがあり、
二人で時計のカチカチ刻む秒針を見つめます。そして心の中でカウントダウン…


カチリと最後の秒を刻んだ瞬間に、



「はい、終わり。 ありがとうございました」
お母さん、火って何から出来ているの?


と挨拶して、【すわるれんしゅう】は終了します。





終わったとたん、タロウは私の膝元に満面の笑みでやってくるので、「おつかれさまー」とギューーッとハグするのがお約束(笑)

お母さん、火って何から出来ているの?

この時のタロウは、本当に嬉しそうです。
「おかあさーんラブラブ」と甘えてくるので、全身で受け止めます。(彼の身体もいい加減デカくなってきて、肘や膝が私のあちこちにゴツゴツと当たって痛いんだけど!)



そして「すわるれんしゅう」を終わらせれば、何でも好きな遊びをして良い、という約束にしました。
たいていはテレビゲーム、パソコンゲーム、DSなどがやりたいというので許可してます。




。。。

とまぁ、こんなかんじが、【すわるれんしゅう】の全容です。
ただ回数としては、そうしばしば行っているという訳ではないのです。

ハナがお昼寝をする時間を見計らうので、まったくもって不定期だし、出来ない/やらない日の方が多いくらいです。
だいたい1ヶ月に2~3回やればいい方、でしょうか。
なので、半年前からはじめた練習ですが、コレまで行った回数は10回に満たないと思います。

でもね。
子供の経験値というものはすごいもので、数少ない経験でもリッパにモノにするのですね。

そんな数少ない経験値でも、【すわるれんしゅう】をはじめる前とくらべて、タロウの態度が格段にレベルアップしたような気がします。

「落ち着き」の片鱗がみえてきた、というか。




以前、タロウとふたりで外出した折にレストランに入ったのですが。
そのレストランは混雑していて、入り口にあった椅子席で順番を待つことになりました。
そのときに、


お母さん、火って何から出来ているの?
「タロウ。【すわるれんしゅう】をおもいだして、ピシッと座ってごらん」


と声をかけると、それまでは落ち着きのなくウロウロしていたタロウがピシリと止まり、ピシリと姿勢正しく、座り続けることができたのです!

これには、驚きでした。

やれば出来るんじゃない、タロウ!!
(ただ、私が「スイッチ」を押さないと、「ジッとしなくてはならない」ことに気づかない、とか。あまり長時間持たない、とか。イロイロあるのですが)




幼稚園でも、3学期の終わりには先生に

お母さん、火って何から出来ているの?
「タロウ君、最近は本当に落ち着いてきました。場を見て、周りを見て行動できるようになったんですよね。」

みたいな事を言われたりもして。

まぁ、落ち着いたとはいえ、あくまでも当人比なので(と、先生も言ってたけど(笑))、他の子と比べたらどうなのかーどうなのかーってなところもありますが(まだまだクラス一番のチョロ助なのだ!)。
でもやっぱり、本人なりの進歩を見せたのは、母としては嬉しい限り。

落ち着いたのは年齢的なものも含め、他の要因もあったのかもしれませんが、私的には【すわるれんしゅう】の成果もあったのではないかなーと、思っています。



ま、私としては、多くを望みません。
授業中、立ち歩かないでいてさえくれば。
「座れ」といえば座る、「立て」といえば立つ、そんな号令を聞いてくれさえすれば。

授業妨害さえ、しないでいてくれれば!!ガーン

レベルのひくーい所でいいんで、なんとかかんとか集団行動をとってもらえれば。それでいい。
それだけを望んで小学生になってもらいたいと思っています。(目標低っ)




ではでは、長い文章を読んでくださりありがとうございましたー。
次回からは通常の記事に戻ります…

。。。
ホメてくださった幼稚園の先生に、
「実は座禅、やってるんです」と打ち明けると驚いていましたw
先生…だって私、必死なんです(T_T
お母さん、火って何から出来ているの?
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