かみさんが一人買い物に出た。
その時
途中、銀行に寄って沢山の預金の中からちょっとだけつまみ出して
支払いに間に合わせた。 ![]()
そこまで出て来たのだからと、スーパーへ寄り道がしたくなったので
徒歩でバスの1駅分を歩いた。
しかし、病弱でひ弱なかみさんは疲れてしまった。
ヨロヨロとスーパーに入り椅子に倒れ込んだ。
ふ~っと気持ちが落ち着いた頃、隣に婆さんが
「ここ座っていいかね~?」
ヨボヨボしながら椅子にもたれるように座った。
かみさんに向かって
「私はよ~、一人暮らしでね~。年金暮らしで慎ましく生活しててよ~。
子供は男の子女の子で他所で暮らしてるんよ。
男の方は、私と嫁との折り合いが悪くて一緒にはおれんから別居だわ~
女の方は、生活が苦しい家へ嫁に行ったからお金は回してもらえんのよ~」
何を言い出すかと思って緊張していたが、どうも一人暮らしで寂しいので
話相手を探していたらしい…
若干みすぼらしい服装の婆さん
頭のてっぺん辺りが白く毛染めが剥げていて、どう見ても80才過ぎている人
顔はしわくちゃでうつむき加減
ちょっと話が長くなった所で
かみさん・・・「疲れが取れたので買い物をしてくるわね~」
ばあさん・・・「なに言っとりゃす~。若っきゃのに~。私より年下だら~」
当然、婆さんの事を年上だと思ったかみさん
「あんたさんは何年生まれ~?。」
婆・・・「〇〇年だわね」
かみさんビックリ~
自分より二つも若い人
それなのに顔はしわくちゃ。髪は白髪混じりの頂点まっ白
「あなたは自分で白髪染めを使ってやってる…?」
婆・・「もったいないから自分だわね。美容院へ行くなら2~3日分の
ご飯代だもん」
「それでてっぺんが白く残ってるんだね」
婆・・・「・・・」
婆・・・「あんたさんはしわが無いけど、化粧品は高いのを使ってるんでしょ~」
「昔は、カネボー化粧品で今は「ちふれ」~」
婆・・・「わたしゃ、資生堂だがね」
婆・・・「それでもしわが無いのはどうしたコッタ…?」
高級化粧品でもシワには勝てなかった。![]()
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買い物を済ませてカバンと…?
無い~!無い~!無い~!
もう一方に傘が無くてはいけません
「しまった~!どこかへ置き忘れた傘」 ![]()
早速、案内所「インホーメーション」へ
「傘の忘れ物は届いてませんか~?」
「こちらには傘の届けの物はまだ来てませんよ~」
今年買ったばかりの傘
残念~!
と、思って歩き出したところへ
「お客様~、傘が届けられました~」
「ヤッホ~」
だが、持って来たお姉さん
傘を後ろ手に隠し
「傘の柄はどう云った物でした…?」
「え~、とパンダの柄だったわ~」
「正解で~す。はい、どうぞ~」
「どなたが届けていただけたんですか~?」
「ヨボヨボした背の小さなお婆さんでした」
あの時、話したお婆さんだわ~!
おしゃべりして忘れてしまったようだわね~
今度会ったらパンと牛乳でも買ってあげようかな
と思うかみさんでした。