6月30日、ソワレ、新作ミュージカル「アラバスター」初見! | S美先輩の観劇・エンタメブログ

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映画やドラマ好きに始まり、韓国ミュージカル沼、さらに日本の舞台にもはまってしまった私。日々思いついたことを綴っていきます!

 

6/30ソワレ、猛暑の中、東京芸術劇場で新作ミュージカル「アラバスター」をみてきました!

 

原作はこれ。あの巨匠手塚治虫さんの漫画「アラバスター」。この舞台、公演期間も短いし、二回目をみる時間はないので、まずは漫画で予習。全二巻なのであっという間に読めました。

 

手塚治虫さん自身が嫌悪した作品といういわく付きの原作。漫画では、黒人の有名アスリートが

主人公なのですが、人種差別的な描写もあるためか、舞台では全身にあざのあるアスリートになって

いました。

その彼が愛したのは美しい女優でしたが、彼が醜いからという理由で、彼を貶め、それに激しく傷ついた彼はその女優を殺そうとし、結果牢獄に。そこで出会った科学者によって、おのれの醜い体を透明にしようと試みるも、中途半端に半透明な体になってしまい、さらに世の中の美しいものを憎む人生に生きるようになってしまう。そこで出会ったのが透明な体をもつ女性、亜美。彼女を女王とあがめ、世の中の美しいものすべてに復讐をしようと動き出す。

 

もともと手塚治虫さんの漫画は、ほぼオンタイムで子供のころみていて、あのブラックジャックやどろろ

など、おどろおどろしい作品が好みでしたね~。この作品も、人間の心の醜さを描いていて、狂気に満ちた描写が多かったです。

 

作品自体に今日もはあったものの、観ようと思ったのは、ジーザスコンでとっても素敵だったベルベッツの

宮原さんが主役のアラバスターだったから。あの低い素敵なお声で、舞台で歌う姿をぜひ見てみたいと。

そして、演出の荻田さん!大好きな作品となった日本版ブルーレインで、あの斬新な演出がとても

好みだったので、ほかの作品でもぜひ、と。

 

のっけから、楽曲がロックでとても好み♪もともとクラッシック系は苦手分野なので、この作品の

パワフルな楽曲は耳障りもよく、スピーディーな展開の舞台にぴったりでした。しかも生オケ♪

原作を読んだとき、この作品をどうやってミュージカルにするんだろ??と速攻思いましたが、

本当にうまく作り上げていました。

美醜で大きく変わってくる人生。ルッキズムが問題だと言われる現代も、アラバスターが書かれた当時も

それは変わっていない。人と違う見た目への差別。差別がいけないことだとわかっていても、当たり前のように差別をされる人がいて、差別をする人がいる。このアラバスターが抱く狂気は、現代でも消えていない。そんな人間の心の奥底の醜さを見せつけられるのは、苦しい気持ちにもなるのだけれど、

耳ををふさいではいけない。目をそらしてはいけない。そんなメッセージが胸に刺さる作品でした。

 

観客は、女子が多かったのですが、明らかに手塚治虫ファンですねという男性も多く。これなら

原作ファンも大満足ではないでしょうか!

まずは俳優さんたち、全員歌がうまい!大劇場だと、中には、この方の歌は・・・ということも

ままあるのですが、皆さん本当に安定の歌声!そしてダンスもうまい!

原作のキャラクターとのシンクロ率も高く、あのインターポールの自分の美しさに陶酔している

ロックも、アニメ並みに美しかった♪彼がお目当ての女子ものすごく多し。そしてお歌もうまい!

亜美の母親役のAKANE LIVさんも美しいし、科学者役のおじさまや、ゲン、お兄ちゃんも原作の

イメージにぴったり。体が透明で、目しか見えない亜美はいったいどうやって?とおもっていましたが、

スクリーンにイメージを移したり、透明なボードをだし、声は豪華にも涼風真世さん、亜美の心の

動きを目を覆った女性の姿のダンサーが表現するという斬新な表現。(しかもそのダンサーは、キンキーブーツのエンジェルもなさっていた美しい男子だった♪)

 

そしてなんといっても圧巻だったのは宮原さんの歌!あの魅力的な低音で、一ミリもぶれない歌声、

中劇場のプレイハウスに響き渡ってすごかったです。声が魅力的なうえに歌がうまいって、最高よね、

と心から思いました。ガタイもよいので、異形のアラバスターを演じるのにもぴったり、ロングコートさばきもカッコよかったです。もともとあのデコラティブなお顔のつくりは好みだったのよね♪

ベルベッツファンのお友達も言ってましたが、この方ならレミゼのジャベールとか、モーツアルト!のコロレドとか、フランケンシュタインのビクターとか、大劇場の作品もお出来になりそう。

韓国なら、リュジョンハン先生がやってる役ならみんないけそうだな、ドラキュラなんかも。

アラバスターは歌舞伎並みに大げさなリアクションの役柄だから、あとは繊細な演技がお出来になるのかどうか。とにかく次回作が楽しみな俳優さんとなりました!

 

(お写真は宮原さんのツイッターからお借りしました)

 

舞台の後は、同行してくれたお友達と、劇場横の中国揚州商人に行き、蒸し鶏と黒酢の

冷やし麺を。当日もほんとに暑かったから、こころはすでに冷やし中華でした♪

 

さっくり食事し、かるく舞台について語り合い、すぐに帰宅。充実の木曜日でした!

この作品、再演あったらまた好みのキャストなら見たいと思います~♪みてよかった!