昨日の続きです。
ルーベンスと言えば、宗教画や神話の絵が多いです。
一枚一枚の絵が大きく、迫力があります。
目が生きているようで、肉や皮膚には血が通っているよう。
離れて見ると主要人物達が浮き上がって見えます。
特に、中心となる英雄や聖人は、光って見えるのです。
死んだキリスト様とかは、肌の色めちゃくちゃ悪いのに青白く光って見えました。
今回印象に残った宗教画は
『聖アンデレの殉教』
ローマ総督アイデアティスによって、
エックス十字に磔にされた
キリストの弟子アンデレ。
自分を見に来た二万人の人達に教えを説いた。
その人達が「アンデレさんを磔から降ろせ〜!」と非難。
仕方なく、部下に「降ろせ」と命令した(絵の右側の馬に乗る男性)アイデアティス。
しかし降りるのを拒絶ったアンデレに
天から一条の光が指して、彼は昇天した
というシーンだそうです。
アンデレ中心のこの構図はすごいですね。
刑のせいでアンデレの顔も体も、ひどい色ですが、神の光を浴びて白く浮かびあがって見えます。
この大きな絵を見上げていると、自分も神を信じる民衆のひとりになった気分になれます。
神話を題材にした絵も良かったです。
どれも好きですが
『ヴィーナス、マルスとキューピッド 』も印象的
キューピッドのせいで、ヴィーナスを好きになっちゃった軍神マルスが、兜を脱ぎ捨てヴィーナスに迫っています。
強引過ぎてドン引きですが、この話は
「ヴィーナスを愛することで、マルスが戦を忘れ、平和な世の中が来る」という
平和を祈る意味もあるそうです。
ぱっと見、セクハラ?と思うけど、頬を染めるヴィーナスを見ると満更じゃないのかな。
ルーベンスの描くマルスは、筋肉ムキムキで男らしいです。
とにかく、作品がほとんど大きいです。
枚数もかなりあります。
これってどんなスピードで描いたの?と不思議に思っていたら、
ルーベンスは工房を持ち
そこで親方として弟子達に指導したり、手伝ってもらったりしてたそうです。
つまりアシスタントがいた訳です
今の漫画家さん達みたいに。
鳥描くの専門の画家さんとか、背景をよく任せた弟子とかいたらしい。
芸術家の工房って結構ありますよね。
納得しました。
今回の感想
ルーベンスって古典的で、宗教画のお手本みたいと思ってました。
でも、神や聖人や人々を生きているかのように(時にはリアルな死体に)描いたら、他の画家に尊敬されて、みんなが影響を受けただけで
お手本ではないんですね。
美術の先生ではなくて、芸術家だと改めて思いました。
すご過ぎるのかも。
ちなみに、画家って貧乏だったり苦悩したり大変な人が多いですが、
ルーベンスは才能にも人にも恵まれて、幸せな一生だったそうです。
後、どんな絵が展示されるのか、予習しとけば良かったと後悔。
そしたら、見たい絵にもっと時間をかけられたのに。
今回も読んで下さいましてありがとうございました♪♪(*´ω`*)