今回一番好きなコマ

水着エプロン。エロいかエロくないかってったら、エロい。
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[X]=機械仕掛けの親指姫編③
7ヵ月前の、あのクリスマスの夜。理珠の部屋にはサンタの格好の理珠と成幸の2人だけ。成幸の胸元にくっつく形の理珠は「・・・成幸さん、私と・・・『ゲーム』をしましょう」と、頬を染めつつ提案する。

そして時間は現在に戻る。
やってきました、海の家。出店中の緒方うどんの前では、水着にエプロン+サンバイザー姿の理珠と紗和子が張り切って宣伝中。が、理珠のかわいさに当てられたら青年2人はうどんそっちのけで「君めっちゃカワイイねっ!(ムネでっかー)」「写真一枚いい!?」と声をかけてくる。理珠は「ダメです、拒否します」とビシッと言うが「そんなこと言わずにさー」と食い入り気味にスマホのカメラを向けてくる。
すると画面には、理珠を囲むようにして幽霊のみさお、鬼の形相の理珠父、鬼の形相その2の紗和子が写りこんでおり、それを見た2人は「ぴぎゃー!!」とダッシュで逃走。
紗和子「緒方理珠をナンパなんて50世紀早いわ」
理珠父「やるじゃねぇか紗和子ちゃん」
みさお「きゃははっ、おどろいた、おどろいたーっ!」
と盛り上がる面々。その横では「幽霊より怖いこの2人って・・・」と、成幸が冷静に見つめている。
すると「もー、おじさまも成幸くんもっ!注文たてこんでますよ!」と、これまた水着の上からTシャツ姿+サンバイザー姿の文乃が呼び戻しに来る。文乃に注意された理珠父と成幸はそれぞれ「わっ、すまねぇ古橋ちゃん」「手伝いに来てもらって悪いな古橋」と慌てて持ち場に戻る。それに対して文乃は「まっかせて!まかない分はしっかり働くよー!」とハリキリモード。だが一瞬気が緩むと、自身が運ぶお客様用のざるうどんを見てよだれが出てしまう文乃。「食べちゃダメよ、古橋文乃」と紗和子に注意される始末。

この面々で1週間、泊まり込み3食昼寝付き条件で、出張緒方うどんin海の家のバイト中。お陰様で大盛況、といったところ。そんな忙しさの合間を縫って「成幸さん」と声をかける理珠。
「緒方?」と成幸が振り向くと「あの・・・」と成幸の服の袖をきゅっと掴む理珠。そして「この近くの海に『うさ耳岩』なるものがあるらしいのですが・・・あとでよかったら、見に行きませんか?2人で」と頬を染めながらも微笑みつつ誘ってくる大胆さ。これには成幸もドキっとしてしまうのだが、そんなタイミングでみさおちゃん登場。「ぶーっ、なんかいいフンイキ!みさおじぇらしー!!」と言いながら理珠の水着の背中の紐を解こうとする。もちろん理珠にはみさおが見えていないのだが「こ・・・こら、みさおちゃん!緒方にバレちゃうでしょ!!」といって急いでみさおを理珠から引き剥がす成幸。そして「すいませーん、注文いいですかー?」と客からお声がかかり、理珠への返事はうやむやに。
そんな2人のやりとりを、文乃は見ていた。

仕事が落ち着いた頃、文乃に呼び出された理珠。「で・・・話とは何でしょうか?」と理珠が切り出すと「最近・・・成幸くんとはどういう関係なのかなって。なんだかその・・・ホラ、りっちゃんすごく積極的な感じだったから気になっちゃって・・・。もしかして、おつきあい・・・」と、文乃がドキドキしながら真相を尋ねる。2人には見えていないが「そうだ、そうだ!」とみさおも野次を飛ばし中。
それに対して「私たちは、ただ・・・『ゲーム』をしているだけなんです。」と、予想外な答えを返す理珠。「え・・・」と言ったきり、文乃もそれ以上は深堀りできない様子。

文乃と別れた後、人影のない砂浜を水着姿のまま一人で歩く理珠。これまた見えていないが、実はみさおが後をつけてきていた。みさおはハンドパペットであるフランソワに向かって「『ゲーム』ってなんだろうね、フランソワ。リズリズ、ナリリンのことそんなに好きじゃなかったのかな?」と、先程のやりとりで感じた疑問に触れ、話しかける。理珠は理珠で〔さっき・・・なんとなく成幸さんに避けられてしまったような・・・・・・。気にしすぎです、これはただの・・・。『ゲーム』なのですから〕と自分に言い聞かせている。

ではその『ゲーム』とは一体何なのか。冒頭でも触れていたクリスマスに話は戻る。
緒方うどんの2F、理珠の部屋にてサンタ服の成幸と理珠の2人。「片付け・・・手伝っていただいてすみません、成幸さん」という理珠と「受験生的にちょっと息抜きしすぎた気もするけど・・・楽しかったな、おばあさんのゲーム。」と言う成幸。
「文乃も関城さんも、うるかさんに小美浪先輩まで、あんなにたくさんの人に楽しんでもらえて感無量です。」と話しながら『好きになれました、いいえ、たぶん・・・大好きです』と成幸への気持ちに気づいてしまったことや、後夜祭の打ち上げ花火の伝説を思い出していた。
そして理珠は「・・・成幸さん、男女が『結ばれる』とは、どういうことなのでしょうか?』とストレートな質問をぶつける。「え・・・?」と、成幸は戸惑いを隠せない。「そ、そりゃあれだろ、彼氏彼女になったり・・・イチャイチャしたり・・・みたいな・・・?いや・・・俺もよく知らんけど。」と答えるのが精一杯。そして「ってそれあの時の・・・文化祭のジンクスってやつか?あんな迷信気にする必要なー」といいかけたところで、理珠がぎゅっ・・・っと成幸に抱きつく。
かぁぁぁ、と真っ赤になって何も言えない成幸に理珠は「・・・こんな感じ・・・でしょうか?」と、頬を染めながらも精一杯問いかける。
だが成幸は「ななな、なにやってんだ緒方!!?お前また・・・興味本位でこういうこと軽々しく・・・ッ」と、あわあわしながらかわしてしまう。
そんな態度の成幸に、くっついたままの理珠は「あぁ・・・やっぱり、成幸さんは私を『そういう』相手として見てくれてはいないのですね・・・」と心の中で呟く。そして、震えを抑えながら「興味本位では・・・いけませんか?成幸さん、私と・・・『ゲーム』をしましょう」と、真っ直ぐ成幸を見つめながら提案する。
「ジンクスが迷信だと、証明できたら成幸さんの勝ち。逆に証明できぬまま、まんまと成幸さんが私を好きになってしまったら、私の勝ちです」そう真剣な眼差しで話す理珠。【今は、どんな手段を用いてでも、あなたを夢中にさせてみせます、その時まで私から目を離させません】そんな強い気持ちを秘めたまま理珠は、成幸にぶつかっていく。
そんな理珠のアプローチに成幸は「な・・・なんで俺とそんなゲーム・・・そ、その、まさかと思うけどあの・・・俺のこと・・・」と赤面しつつもじもじ尋ねると「興味本位です、以前いつでもゲームにつきあってくれると仰いました」と、きっぱり言ってのける。
ちょっとガッカリしつつ「いや・・・あれは言葉のアヤで・・・」と言う成幸に「それとも・・・自信、ありませんか?」とニヤリとしながら挑発する理珠。そんなカオされて「うぐ・・・っ」とまた赤くなった成幸は「う、受けてたとうじゃないか!必ず勝っておまえに、清く正しい男女の在り方というものを教えてやる!!いや・・・俺もよく知らんけど!」と乗っかってしまう。理珠は「その意気やよし!です!」と目を輝かせて喜ぶ。そして「ではまず手始めに!今後2人きりの時は名前で呼んでください!」とルール決め。成幸も勢いで「よ・・・よしきた!り・・・り・・・理珠・・・」と完全に理珠ペースに。「負けた方はキツめの罰ゲームということで!!」という徹底ぶりを見せる理珠なのであった。

『あれから7ヵ月・・・たしかに私と成幸さんって今、一体どういう関係なんでしょうか・・・?』そんなことを考えながら、理珠はひとりでうさ耳岩に到着。くっついてきたみさおは「わーっ、うさ耳岩って本当にうさぎの耳みたーい!」と大はしゃぎ。
「考え事していたら結局ここまでひとりで来てしまいました・・・むなしいです・・・」といってその場に座り込み、溜め息をつく理珠。そしてぼそりと「成幸さんのばか・・・」と呟く。
すると背後から「なんでだよ」と、突然成幸登場。当然「ヒャアアッ!!!」と声をあげる理珠。「な、成幸さん、どうしてここに!?というかいたんですか!?」と心臓バクバクのまま尋ねると「いや・・・どうしてって・・・お前こそ遅かったじゃないか。お前が見ようって誘ってくれたから待ってたのに」と、うさ耳岩を指差しなが答える成幸。
「古橋もなんかお前が元気なさそうって心配してたけど大丈夫か?理珠?」と聞かれた理珠は嬉しくてはたまらないと言わんばかりの表情で「1ピコメートルも欠けず元気いっぱいですが!?さあ見ましょう、うさ耳岩を!!一晩中でも!!」と成幸の手を握りながら感情を爆発させてしまう。というか顔も近い。
はっとした2人は「いや・・・一晩はちょっと・・・」「そ、そうですね、私とした事が少々合理性を見失って・・・」とお互いテレて視線を外してしまう・・・が、手はしっかり握ったまま。
そんないい雰囲気の2人だったが、成幸の肘をつんつん、とつついてくるみさお。
『どうした?みさおちゃ・・・』と不思議に思う成幸だったが、振り返ると目前には、満潮と随分遠くに見える海の家が。うさ耳岩周辺、満潮により完全孤立。

次号、孤島でドキドキサバイバルスタート!!

今回も面白かったです。