前回の続き。
(醜悪な容姿で生まれたものの、不思議な口紅を使い美しい容姿を手に入れ、伝説の女優にまで上り詰めた、かさねの母いざな。
これまで、いざなについて口を閉ざし続けた羽生田が、語りだす。)

演出家と女優である海道といざなは強く惹かれあい、結婚。だが、2人の子供が産まれたことをきっかけに、幸せな結婚生活は綻びはじめる。
醜く、自分たちのどちらにも似つかない子ども。加えて、いざなはいつも決まった時刻になると何処かへ出掛けていく。誰か別の男と会っているのではと疑い、とうとうその現場に乗り込んでしまった海道は、口づけで顔を交換する透世といざなを目撃してしまう。

激昂した海道はいざなと生後間もないかさねを追い出す。

変わりに透世を妻として迎え入れるが、海道の求める女優としての才能、知性、気高さ、どれも持ち合わせていない透世に次第に酷く当たるようになる。
そして、徐々にこわれていった海道は思いつく。

いざなを連れ戻せばいい。
材料はここにあるのだから、と。

今回も面白かったです。