舞台羅刹女を無事終わらせるため、感情を断ち切って台詞と演技をこなすことに徹した景。
いよいよラストのシーン。
羅刹女が扇を振り下ろせば幕を閉じる。
ところが、景が振り上げたその手を、王賀美がガッと掴みおろさせない。完全に台本を無視している。
驚いた景はその場に固まり、再び怒りの感情を抱く。皆に舞台を捨てさせた自分の芝居にも、止めてくれた皆に本当はありがとうと思っている自分にも。
そして景はその場に崩れ落ちる。
観客もさすがに異変に気づき、会場はざわつく。
その刹那、景は心の中でもう一人の自分と対話し、過去の怒りや悲しみに囚われていたおかげで私は今の幸せに気づけた、と昇華させる。
そして、涙を拭った景は羅刹女の表情に。
羅刹女が扇を勢いよく仰ぐと、風が舞台を吹き抜けるのだった。
今回もおもしろかったです。