◯様々な場面で「できる」ように

（前回の投稿の続きです）

練習は大切。そう理解したからこそ、「練習どうですか？」「続けてますか？」と相談してくださった飼い主さんに聞くと「やってますよ」「続けてますよ」と返ってきます。

でもよくよく聞いてみると。。。

「できること」をちょっとだけやって、「今日のトレーニング完了！」としている方が多いこと！！

マテが、フローリングでできて、絨毯でできないなら、それは「できない」です！

室内でできて、外の砂利や草むらの上でできないなら、できない場面で練習が必要です。

できることを少しだけやる。これはトレーニングではありません。

できないことを、たくさんやるから成長します。

できる場面を増やすことで、必要なときに効果を発揮できます。

◯点ではなく線で

しかし、どうしても人間の性質として少しでもできると「本当はできるのに！」という気持ちになるもの。

または、「できない」のは犬のせい、飼い主である自分のせい、など、◯◯のせいで「できない」と考えがちです。

「できない」という言葉を見ると否定的に捉えてしまうからです。

でも実際は、犬が悪いわけでも、飼い主が悪いわけでもありません。

トレーニングの「できる」「できない」を点ではなく、線として考えてみてください。

そうすると、ここまでは「できる」、「ここからは練習が必要」という、長い道のり・長い線上の途中経過であることに気がつくと思います。

現状を理解することで、どこからできて、どこから練習が必要なのかを見極める。

そうすることで、様々な場面で状況で「できる」を増やしていくことが大事なことです。

◯定着には１年

最初に触れた「マテ」や「アイコンタクト」などトレーニングの土台が定着するには最低１年はかかります。

でも、３６５日、毎日順調に練習できるとは限りません。

その１年のうち、様々な事情でトレーニングができない時期だってあります。

そうすると、後退することもあります。その分また時間がかかることもあるでしょう。

前回、冒頭でトレーニングをしていた飼い主さんも、様々な都合でトレーニングがあまりできない期間がありました。それでも続けてきたことで次に進んでいます。

人間だって、いまできているどんなことも、最初はおぼつかない・危なっかしいやり方で、まねしながら、なんとか覚えたはずです。

あせらず、じっくり基本となる土台を作る。

基本的なことは、続けさえすれば、必ず次のステップに進めます。

練習の段階②〜「できる」を点ではなく線で考えること