父ちゃんが帰ってきていた最後の約1か月。
2度くらい聞いたかな…
「実家に連絡する?ここやったら近いし来やすいやん」って。
だけど父ちゃんは頑なに首を縦に振らなかった。
私の中ではもう今しかないと思っていたので
説得じみた事をしたと思う。
「お義母さんがやややこしいならお義姉さんに話してみたら?」
って言うと…
「姉の方がややこしいから。」
と言われてしまった。
それ言われたらお手上げや。
「でもなんでそんなに頑なに嫌がるの?」
「絶対にポカリちゃんを責めるから…何言い出すかわからんから。唯一、兄がマシかもしれんけど…もし万が一俺に何かあっても何も言わなくていいから。」
って言われた。
正直「そんなに」って思ったけど、ただ分かったとしか言わなかった。
その後の事は何を言われようが私が全部引き受けようと。
もともとそのつもりでここまで来てたけどさらに揺るぎないものになった。
この事は弟(長男)には話していた。
最初は本人にも義実家にも話すべきと言ってた弟やったけど徐々にその気持ちに変化があり何事にも出来る限りは父ちゃんの気持ちを最優先してくれた。
ある日…
父ちゃん、子供達、母、弟2人、私で自宅で過ごしていた時に父ちゃんがポツリと私に言った。
「俺たちの家族もポカリちゃんの家族みたいになろう俺は今回の事で思い知らされた。言うても他人の俺にここまでしてくれて、この家族にすごく助けられてホンマに感謝してる。ありがとう俺はこの家族が大好きでホンマに出逢えてよかった。」
私は泣きそうになった。
治す事だけしか見てなかった父ちゃんがこんな事言うなんて。
きっともう何か感じてたのかな?
「何言ってんの?ここにおるみんな、父ちゃんの事他人やなんて思ってないし。家族やん当たり前の事やと思ってるよ。絶対に」
私が居ない間に、母にも
泣きながら感謝の言葉を述べてたらしい。
そして数日後…
色んな思いを残して父ちゃんは旅立った。
つづく。。。