DVという関係性からの脱出(前半) | 介護の最前線 〜どうなる?これからの未来〜

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ケアマネジャー(介護支援専門員)としてのキャリアを持つ。
ミロスシステムを実践すると様々な人間関係、更にはありえない程の利用者様の劇的な変化、働くスタッフの能力開花を体験。
自分も職場も人間関係も全てを変えられる!と確信する。


1.連載:ROSSCO's Eye ~人生を俯瞰する視点~
  『DVという関係性からの脱出』
2.ROSSCO.jp事務局からのお知らせ
発行:ROSSCO.jp http://www.rossco.jp/
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1.連載『ROSSCO’s Eye ~人生を俯瞰する視点~』


夫が妻に、妻が夫に、親が子に、子が親に…家庭内で起こる暴力を意味するドメスティック・バイオレンス(DV)。
最近では、家庭内に限らず元配偶者や恋人との間に起こる暴力もDVと捉えられており、その相談件数は年々増加しています。
また、家庭のトラブルや男女間の問題を公にすることへの抵抗感から、このような暴力は表沙汰になりにくく、深刻化しやすい社会問題であるといわれています。

DVは繰り返されることによってだんだんエスカレートする傾向があり、近年は、DVがもとで親族間の殺人事件が発生するなど、取り返しのつかない事態へと発展するケースも少なくありません。

DVの当事者になった場合、とにかく身を守ることが先決であり、何かおかしいと感じたら専門家の手を借りることが大切です。

しかし、そうやって目の前の相手から逃げることはできても、DVという関係性をつくりだした “仕組み” からは抜け出すことはできません。
再び同じような関係性に苦しまないためにも、なぜそのような事態を招いたのか、その本当の原因を知っていただきたいと思います。

そこで今回は、実際にDVの被害に遭われた女性Fさんが、その体験をミロスシステムで紐解くことによって完全に立ち直り、人生を再生させた体験をお伝えします。


『DVという関係性からの脱出』(シリーズ前半)

「渦中にいるときは本当に辛かったです。
 “いつ死んでもいい” というところまで追い詰められていました」

Fさんは当時のことを振り返り、今こうして話していることが奇跡だと言います。
彼女はDVに遭うなかでミロスシステムに出会い、人生の真っ暗闇、ドン底から完全に立
ち直り、自ら人生を再生させた体験を話してくれました。

当時、彼女が交際していたA男(仮称)は些細なことで感情を爆発させて豹変し、気が狂
ったように怒鳴り散らす人でした。
会えば殴られ、彼女が意見を言うと、さらに怒りをエスカレートさせる。
反対に黙っていると、彼女の心の中を勝手に読み取り、さらに殴ってくる。

一日のすべての行動をメールや電話で報告することを強いられ、事あるごとにお金や物品を要求されていました。
遠方に住んでいるにも関わらず、すぐそばにいるかのように物質的にも精神的にも支配されていました。

別れを切り出すと脅迫され、しまいには、彼女が勤める会社にまで頻繁に嫌がらせの電話をかけてくるようになり、仕事も手につかなくなりました。
家族や友人までも巻き込み、もはやどうすることもできなくなった時、職場の上司や同僚が彼女の異変に気づき、弁護士や警察の介入によって救われました。

ようやくA男と別れることができたFさんですが、その壮絶なDV体験のせいで、しばらくの間は立ち直れずにいました。
しかし、ミロスシステムに触れ続けているうちに、なぜ自分がDVを体験したのか、その仕組みを理解していきました。
もしこのシステムに出会わなかったら、Fさんは今もなお、DVの後遺症で精神的に病んでいたかもしれません。

まず彼女は、この世の “同化と反転のトリック” に基づき、A男に感じていた “愛への強烈な欠乏感” が自分の無意識であることを受け入れました。
そして、“彼の生い立ち” と “それまでの自分の人生” をミロスシステムで紐解き、その無意識を理解していったのです。

A男の生い立ちは…
妹が生まれると、彼はすぐに祖母にあずけられ、しばらくの間、寂しい想いをして過ごしました。
祖母はしつけが非常に厳しい人で、いつも彼は叩かれていたそうです。

また、彼の父は社会的に地位のある人で、息子(A男)にも自分と同じ道を歩ませようとしていました。
父から厳しく教育されるなかで、殴られることもしばしばでした。

しかし、最終的に父のあとを継ぐことができなかった彼は敗北感と罪悪感を背負い、強烈に傷つきました。

母が自分よりも妹をかわいがっていたこと。
親の期待に添えなかったこと。
両親に愛してもらえなかったこと。

「彼はどんなに傷ついていたのだろう…」

彼の気持ちを考えたとき、Fさんは自分のなかに同じ寂しさと孤独感を感じました。

一方、Fさんの生い立ちは…
物心がついた頃からすでに両親の仲は悪く、二人が争う光景を見て育ちました。
特に、父が怒鳴りながら母に殴りかかるという姿は本当に恐ろしく、怖さのあまり泣いてばかりいたそうです。

彼女にとって父は怖い存在でしかなく、近寄ることはありませんでした。
その一方で、母の姿が見えないと不安になるので、いつも母の後ろを追いかけていました。

しかし、ある日、母の言葉に突き放されたように感じた彼女は、「お母さんは私のことを守ってくれない」と思い込み、それ以来、母にも不信感を抱くようになったのです。

彼女にひとつ上の姉がいました。
自分とは違い、明るく活発な姉は祖父母から家の跡取りとして期待され、いつも家族から注目されているように思えました。

「私のほうを見て欲しい、私のことも愛してほしい!」

ミロスシステムを通して人生を紐解くなかで、Fさんの中から封印していた感情が噴き出してきました。
そして、A男に感じていた “強烈な愛の欠乏感” が実は自分のものだったことがわかったのです。

その時、システムで学んだ「男と女は同質の感情面を持つ者同士が引き合い出会っている」ということを実感し、本当に理解できたそうです。

愛してもらえなかったことへの怒りを相手に向ける攻撃的なA男。
その一方で、「こんな私だから愛してもらえなかったのだ」と自分を責める自虐的なFさん。
要するに、本人たちにまったく自覚はなかったのですが、二人が出会ったことで “DVという関係性” が成立したのです。

(シリーズ後半につづく)


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