物足りなさが残ると何とか満たしたくなるのが人の情け。

先日、期待して植物園へ出掛けたものの貧相な菖蒲園を見て愕然とし、

梅雨の合間を見付け群生する城北菖蒲園へ向かうことに。

阪急淡路駅で下車し近くのJRで乗り換え、

2019年3月に開通した「おおさか東線・城北公園通駅」で下車。

片側二車線大通りの歩道を歩きながら感じることだが、

紙屑やペットボトルなどゴミが散乱しているのに気付き

誰か収拾する人はいないものかと熟々(つくづく)思う。

(まあ、基本的には各自がゴミを持ち帰れば良いことなのだけど)

公園の名称は大阪市編入以前の自治体「城北村」に由来。

かつて榎並(えなみ)城の北に位置し、

その東側に室町幕府の料金所十七箇所があったことに因み

別名「十七箇所城」とも呼ばれているとか。

(大阪で城北といえば大阪城を思い浮かべるが実は榎並城)

受付で入園料200円を支払うため財布を取り出すと、

「あの、大阪市在住で65歳以上の方は無料です」

係員が笑顔で親切に教えてくれたが

兵庫県在住なので該当しないので千円札を差し出す。

「お釣りの800円です、大変申し訳ありませんでした」

慌てて菖蒲園の入場券と冊子を渡してくれた。多分、

在住地ではなく65歳未満と誤解したのではと苦笑しながら、

若く間違えられるのは嫌ではないと思いつつ入場する。

 

昭和39年5月に開演した回遊式菖蒲園。

このボリューム感のある、群生した光景を見たかった。

それにしても、これだけの花を咲かせるには

普段の手入れが大変だろうなと思いながら歩き始める。

 

ハナショウブかカキツバタ

やはり多数の花々が咲き誇る光景は見応えがある。

 

花の色合いが違うけどハナショウブやろネ。

 

園内にある東屋

太陽光線を避けるため椅子に座る人が多く座席を見付けるのに一苦労。

「いずれあやめか、かきつばた」

事前に予備知識を仕入れて見物に来てみたが

どれが何という花かサッパリ分からない。

いずれにしても美しく綺麗であれば良いかと割り切り、

園内をそぞろ歩く。

 

歩道の片隅で咲いてた、余り見かけない白い花。

釧路市の公園で見付けたヤマブキショウマに似ているが……。

この花はホザキナナカマド(穂咲七竈)で、

北海道や下北半島、本州の中北部に分布する落葉低木とか。

 

菖蒲園で何回か巡り歩いて凡そ一時間程滞在し、

隣接する淀川の堤防道路に上がる。

河川沿いに水制などで囲まれた池のような湾処(わんど)で

魚釣りをする人々を眺めながら日陰の橋脚下に座る。

昼食用のお握りを頬張りながら景観を眺めたいと考えていた、

淀川の爽やかな涼風が肌に心地良く、期待通り実に快適だ。

初夏の日差しがきつく庇ののない川沿いでは寛げる場所が少ない。

近くの大阪工業大学の男女の学生グループも橋脚下に集まり

和やかな雰囲気で語らいながら弁当を広げだした。

彼らも自然界で風に吹かれながら

食事を摂るのを多分楽しみにしているのだろう。

 

復路は淀川沿いにある大阪工業大学の傍を通り、

近くにある大宮神社に立ち寄り参拝したあと、

千林商店街の入口付近にある大阪メトロ千林大宮駅から

電車に乗り東梅田駅で下車して帰路に就く。

(因みに千林商店街はダイエーの創業者である中内功が

「主婦の店 ダイエー薬局」を開店した場所として知られている)

 

大宮神社(別名「いぼ大神社(おおかみしゃ)」

主祭神は応神天皇、神功皇后など。

創建1185年で源義経と伝えられている。

ご利益は疣(いぼ)や吹き出物、内蔵の病気などの平癒。

 

本殿の上を覆い被さるように生えている大木がモチの木。

この木と自分の肌を交互に撫でると効果があるとか。

 

(写真撮影日は6月5日月曜日)