昨日の山火事 | 英会話の勉強の記録

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昨夜23時頃の出来事である。


居間でひとり、中国の上海旅行のYouTube動画を見ていた時だった。

町内放送が流れたようだがよく聞こえなかったので、気にせずに上海の一流店で出る小籠包を見ていると、夫が自室から飛び出てきた。

「ちょっと見に行ってくる!」と血相を変えて叫びながら居間を駆け抜けていく。

パジャマ替わりのスウェット姿のままである。

この平和な日本で「血相を変える」ような状況はめったにない。

YouTube動画を停止して「どうしたの?」と聞くと「山火事だよ!」と言うではないか。


山火事だと?

 

我が家の後方1キロほどに、とある有名な山がそびえている。まさかそいつが燃えているのか。

「私も行く!」夫のあとを追った。


玄関を出て風除室のドアを開けると、ペラペラのTシャツとタイパンツ姿ではとてもじゃないが防ぎきれない冷たい空気が身を包んだ。一瞬で服の生地が凍り付くようだ。

3月上旬とはいえ、ここ北海道の夜の気温は0度である。

 

・・・やっぱり家に戻ろう。

 

風除室から三歩ほど歩いた時点で踵を返すと、20メートルぐらい離れたところにいるスウェット姿の夫が私を呼んだ。

「すごい!すごい燃えてるよ!ここから見える!」

 

・・・やっぱり見に行くか。

 

なんとか20メートルの距離を寒さに耐えながら進むと、山の一部が燃えている様子が見えた。

チラッと赤い炎が見える。不謹慎だが写真を撮ろうと思って、スマホを取りに帰る、と夫に言った。

というか、寒い。コートを着る必要がある。タイパンツでは無理だ。

するとスウェット姿の夫も一旦家に戻り、二人そろって着替えてから出直した。

そして再び、火の手を見ると少し勢いが増しているようだった。ほんの少しだけ。



夫は血相を変えて「荷造りしなきゃ!」と言ってまた家に戻った。

私もその後を追った。ここでずっと見ていても仕方ないし、下半身がタイパンツだからだ。つまり寒い。

 

荷造りか。。。

そんな必要あるのかな?と思いながら居間に戻ると、夫が大きなキャリーバッグを押し入れから引っ張り出していた。寝袋や簡易トイレなどの防災グッズとキャリーケースに詰めている。

「早く!早く用意して!お父さんちに避難するよ!」と夫が言う。

 

あんな小さな山火事で・・・と思いながら、岩手の山火事の事件もあったし、ひとまずiPadやらApplepencilを専用ケースに詰め始めた。

やる気がないのでダラダラと荷造りしていると、夫が「俺、外で火事の様子をずっと見てるよ」とアホなことを言い始めた。もうスウェットではない、重装備だ。

なんでボヤ程度の火事の様子をずっと見ていたいのかはわからなかったが、ついでに動画を撮っておこうと思って私も夫についていった。


再びスマホを持って外に出ると、隣家のオバサンが私たち夫婦のバカ騒ぎに気づいて玄関から顔を出していた。ちょっと挨拶をして「風邪ひかないようにね」とオバサンは引っ込んだ。


火事はかなり小さくなっていた。

軽く荷造りをしたが、もう鎮火しそうだった。



わずか数秒でタイパンツの私は寒さに耐えきれなくなり、じゃあ帰るから、と言った。

夫もすぐに戻ってきて、大丈夫そうだね、と言った。うん。そりゃあな。


その1時間後ぐらいに、消火しましたー、という町内放送が流れた。

私はYouTubeを見ていた。

夫は放送をきくと、念の為にキャリーケースはこのままにしておこう、と言った。


念の為というのが何のためかは分からないが、この際だから言わせてもらうと、夫が慌ててキャリーケースのファスナーを半分しか開けない状態でバリバリ開けたからファスナーが壊れていないか心配だし、もし壊れていたら弁償してもらいたい。


私のキャリーケースなんだからな!


そして、私たちの地域の火事は、翌日たった今も、Yahooニュースにも乗らなかった。