一昨日、見たかった映画をNHKーBSで、放送しました。

「天のしずく」辰巳芳子“命のスープ”です。


予告編は、見ていたのですが、劇場へは行けなかったので、うれしかったです。


映像が綺麗で、ナレーションは(エンドロールで確かめ忘れましたが)多分谷原章介さんだと思いますが、ソフトないい声でした。

丁寧にお料理を作ることは、丁寧に生きることに繋がる、愛は、作って食べさせることの中にあるという話で、身体だけでなく、心もじんわり温まる美味しそうなスープがたくさん出てきました。


文春新書に、辰巳さんのスープの本が和と洋に分かれて出ていました。


東北大震災の前に、お庭の椿の花等がいつもよりもずっとたくさん咲き、後で「狂い咲き」だったと思ったそうです。

地震と津波なら、なんとか回復出来ても、原発事故では食べ物が大変と言っていました。


今後、日本を支える食糧は、“米”と“大豆”と考え、小学校で大豆を栽培、収穫して、それを観察、記録する「百粒運動」というのを始められたそうです。

子供達は、自分が育てたものは、嫌いだったものでも、よく食べるようになりますね。

私の小学校では、「じゃがいも」を育てていました。覚えてないですが、食べたと思います。

中学校は、校庭の周囲にお茶の木が植えられていて、初夏に生徒達が茶摘みをし、焙じ茶に加工して、お弁当の時に飲んでいました。


辰巳さんは、終末医療を担当するお医者さんや看護師さん達の仕事をねぎらいながら、スープの作り方を教えていました。

保育園の子供達や患者さん達が、美味しそうにスープを飲む姿を見ると、心を込めて料理を作り、食べさせるというのは、「愛」の実践だなぁと思いました。


信頼出来る食べ物は、信頼出来る人達が作っていると言われていました。


水田でなく、土にじかに種を蒔いてお米を作ると、苗床も田植えも必要なくなるし、畑に変えることも出来ると、実践している農家の方もいました。


土から離れた生き方は、心もとないと言われました。

日本各地の土を採取してきて、並べている方の作品を見て、色だけでも、こんなにも違うんだと感心しました。


辰巳さんの結婚についても、話されました。

婚約者に召集礼状が来て、辰巳さんの父が式を延ばしてと頼みに行ったところ、彼が涙を見せたと聞いた辰巳さんは、戦争に行く人を泣かせていいんだろうかと思い、式を早めたそうです。

そして、3週間だけ一緒に暮らした後に出征され、フィリピンで戦死されたそうです。

その自分の決断を後々、振り返っていたそうですが、先年、彼が亡くなったフィリピンの島を訪れたら、「ずっと守っていたよ」と声が聞こえ、納得出来たそうです。


「あなたは、あなたが食べたもので出来ている」という「味の素」のCMがありますが、子供のためにお料理する時は、特に実感します。


食べさせたいと思って作られたお料理は、身体にも、心にも栄養がいきわたると思います。


息子が赤ちゃんだった時、お腹にはおっぱいを、心にはありったけの愛情を注いで満たしてあげようと思いながら、授乳していました。


食べること、食べさせること、生きることを考えさせられる
いい映画でした。