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ふんわり堂日記

ふんわり堂*からだを整える施術所* 理学療法士・整体師。身体と心はひとつ。「身体に訊く」を大切に、科学と感覚の両面から、あなた本来の健やかさを育むヒントを綴っています。

「どうして私は、何度挑戦しても自信が持てないんだろう。」

「頭では大丈夫だとわかっているのに、行動できない。」

そんな経験はありませんか。

私たちは、それを「性格」や「意志の弱さ」と考えがちです。

でも、本当にそうなのでしょうか。

近年、「エピジェネティクス」という研究分野では、とても興味深いことがわかってきました。


DNAは変わらなくても、「使い方」は変わる

よく、「DNAがすべてを決める」と思われがちですが、実際には少し違います。

DNAは設計図のようなものです。

しかし、その設計図のどの部分を使うかは、環境や経験によって変化します。

この「遺伝子の使い方」を研究するのが、エピジェネティクスです。

たとえば、強いストレスや飢餓を経験すると、その環境に適応するために遺伝子の働き方が変化することがあります。

そして動物実験や一部の人間の研究では、その影響が子どもの世代にも見られる可能性が報告されています。

つまり、受け継がれるのは「記憶」そのものではなく、環境に適応するための反応のしやすさなのかもしれません。


「生き延びるため」のプログラム

もし、あなたの曾祖父母が戦争を経験していたら。

もし祖父母が極端な貧困の中で暮らしていたら。

もし親が常に緊張や不安を抱えながら生きてきたとしたら。

その家族では、

「目立たないほうが安全」

「失敗しないように慎重に」

「我慢して生きる」

そんな価値観が自然と育まれるかもしれません。

それは教育だけではなく、身体の反応にも影響している可能性があります。

私はこれを、

「生き延びるためのプログラム」

と呼びたいのです。

その時代には必要だった反応。

だからこそ、何世代にもわたって受け継がれてきたのかもしれません。


マインドブロックは敵ではない

ここで大切なのは、マインドブロックを悪者にしないことです。

ブロックは、あなたを苦しめるために存在しているのではありません。

本来は、あなたやあなたの家族を守るために働いてきた仕組みです。

だからこそ、簡単には外れません。

頭で「もう大丈夫」と理解しても、身体はまだ「危険かもしれない」と反応してしまうことがあります。

これは意志が弱いからではなく、長い時間をかけて育まれた生存戦略だからです。


なぜ整体で変化が起こるのか

私は施術をしていて、不思議な瞬間に何度も立ち会ってきました。

身体がゆるんだ途端、涙があふれる人。

「理由はわからないけれど安心しました」と話す人。

私は、そのたびに思います。

身体は、「安全だ」と感じたときに初めて、古いプログラムを手放し始めるのではないか、と。

整体は、骨を動かすことだけではありません。

身体を通して神経系に

「もう警戒しなくても大丈夫ですよ」

という情報を届ける時間なのかもしれません。


私の仮説

ここからは、私自身の考えです。

もしエピジェネティクスが「受け継がれる情報」を示しているのだとしたら、

マインドブロックとは、

過去の世代が生き抜くために獲得した情報が、今の私たちにも残っている状態なのかもしれません。

そして、その情報は変えられない運命ではありません。

身体に安心を覚えさせること。

呼吸を深くすること。

自分を責める言葉ではなく、労わる言葉を繰り返すこと。

そんな小さな積み重ねが、少しずつ新しい情報を書き加えていくのではないでしょうか。

私は、整体とは筋肉をほぐす技術だけではなく、

身体を通して「未来の情報」を育てる時間だと思っています。



あなたが今、「自分の性格」だと思っているもの。

その中には、本当はあなた自身のものではなく、

大切な家族が生き抜くために受け継いできた贈り物が、含まれているのかもしれません。


もしそうだとしたら、

その贈り物を、これからも持ち続けますか。


それとも、「ありがとう」と伝えて、新しい時代に合った生き方へバトンを渡しますか。


私たちは、遺伝子だけを受け継ぐのではなく、言葉や価値観、家族の空気、そして身体の反応まで含めた『情報』を受け継いでいるのかもしれない。

私は、その広い意味での『情報の継承』を、施術を通して少しずつ書き換えるお手伝いができればと思っています。



ふんわり堂🌿