雨の降る日は傘をさして、でも雫にぬれちゃうから私はかなり優鬱なんだけども
一つだけいいことがあるの。 いつものようにバスに乗って出勤するんだけど、
その日だけはかっこいい人が乗ってきて、私は全然のまったく面識がないんだけど
もちろん相手も私なんかのこと知らないし、目にもかけてないだろうから
それはそれで悲しいけど気が楽で、まるで学生生活を思い出す片思いのような
淡い・・・なんていったら笑いがでちゃうんだけど、とにかくバスに乗ってる数十分は
乙女の心も揺れるのよ。
駅に着けば心が曇っていつもの毎日がはじまるんだけど、あの人は3番ホームに立つから
私とはさようなら。 さようならなんていいたくないわね。
今度食事に誘ったらどうかしら
なんて、女性から言うのもはしたないかな。 結婚していたらこまるしね。
いやいや、私は別にあの人のことが好きではないのよ。 ただ、雨の日の出来事を何とか
楽しみたいだけでなんとなく見回してみるといつもより乗客の多いバスの中にあって
ひとりいい男がいただけで、別に恋愛感情なんてないんだから。
・・・気になれば気になるのよね。 あの人ってどこに住んでいるのかしら
今度跡をつけてみようかしら。 探偵みたいで面白そうね。
でも、いつ帰ってくるのかしら。
私は決めたわ。 今日ここで張り込んでみる。 ふふふ、なんだか女探偵ね。
私は駅の改札口で待ち伏せをすることにしたの。 何時間待つのよ私。
自己嫌悪と期待と好奇心が混ざり合って一生懸命言い訳して気が付いたら
23時過ぎてるから2時間待っていることになるのね。
私ってすごい、こんな気が長かったなんてと自己陶酔しちゃうんだけど
とうとう待ったかいがあって、あの人が階段を下りてきて、こっちをむいたから
私は あっ って顔しちゃって、でも彼は何事も見なかったような顔して早足で通り過ぎて
行ったから、私も急いで追いかけたのよ。
彼は足が長いのか歩く速度が早くて私は小走りになっちゃうんだけど、どう見ても
私はあやしいのよ。 それでも何とかなりきり女探偵だから
つづく・・・・・