「台輔、あの方ですか?」

「そうだ。今歌っていらっしゃるあの方が・・・」

 なんて強い王気だろう。光があふれ輝いている。あの方に間違いない。やっと見つけた。これで国は救われる。荒廃も妖魔もすぐには治まらなくても、王がいるというだけで、民は希望を取り戻せる。

 それなのに、なぜ不安を感じるのだろう。あの方の歌声に涙があふれそうなのは、決して感動ではない。