ステイプルシンガーズの、スタックスでの3rdアルバム「The Staple Swingers」71年です。
なかなか話題になる事がない作品だと思います。
商業的にも芳しくなかったようです。
かなり以前、聞いたときは、なんか散漫でパッとしないアルバムだな~と思っていました。
ステイプルシンガーズは、ギター弾きのポップス・ステイプルと、その子供達により、50年代からゴスペル界で活躍していた人達です。
有名になったのは、60年代に起こったフォークリバイバルブームに乗って歌った、ディランのカヴァーソングだったそうです。当時、そんな彼らを歓迎した聴衆は、主に白人の若者達だったようです。
そんな事もあって、ステイプルシンガーズは、公民権運動に揺れるアメリカでメッセージ色の強い歌を取り上げていきました。
その後、政治色が強くなってきたスタックス・レコーズに所属したのは、当然の成り行きだったのかもしれません。
スタックスは、最初、ステイプルシンガーズを、どのように売り出すか試行錯誤をしていたようです。
三枚目迄のレコードは、スタイルも、曲調も様々で、過渡期のアルバムという印象です。
最初は、スティーブ・クロッパー製作でしたが、この三枚目でアル・ベル製作に変わります。
アル・ベルは、それまでのメンフィスでの製作では無く、マスルショールズでの製作に切り替えます。(ホーンやストリングスのみ、メンフィスのアーデント録音)
楽曲は、ベティー・クラッチャーとマック・ライスという、スタックスのヒット曲を数多く製作したソングライターの作品に、テンプス・OVライト・ビージーズなどのカヴァー曲。
演奏は、お馴染みマスル組で、
バリーベケット(key)
デイヴィットフッド(b)
ロジャーホーキンス(ds)
ジミージョンスン(g)
メンフィスでは、テリー・マニングが、ホーンやギター、その他をミックスしています。
マニングは、スタックスでの仕事以外にも、サザン・ロックの裏方としても、活躍した人です。
特に、「ファンダンゴ」以降のZZトップには、欠かせない人でした。
見事に全員白人ミュージシャンであります。
以前から、ディランやバッファローを取り上げるなど、ロックやフォークとのクロスオーバー的資質があったステイプルには、このマスル製作は正解だったようで、これで方向が、ある程度定まったのか、
同じく、マスル製作による次回作「Be Altitude: Respect Yourself 」72年が、大ヒットします。
このアルバムは、当時、全米中の黒人家庭の一家に一枚あるとまで言われた程のヒットだったようです。
ポールサイモンが、この「Respect Yourself 」を聞いて、マスルショールズでのソロアルバム製作を思い立ったという話は、よく知られるところです。
当時、動向が注目されていた、サイモンが、マスルショールズで製作した事は、
折からのルーツロックブームもあって、様々なミュージシャンがこぞってマスルに、やって来るきっかけにもなりました。
ステイプルシンガーズの3枚目のアルバムは、そんな、私の好きなロック系のマスル録音の、きっかけの、きっかけになった、アルバムであるのかと考えています。
最近は、そう思って聴くと、この散漫な感じも、興味深く楽しめるようになりました。
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して、メイヴィス・ステイプルと、ポップス・ステイプルのヴォーカルで、お気に入りR&Bを一曲づつアップしてあります。
