彼は、時代の流れに合わせ、音楽スタイルを変えていくミュージシャンが多い邦楽の世界で、
見事なぐらい、デビュー当時から、音楽のスタイルに変化がありません。
もちろん、色々変化あるんですけど、基本ポリシーや美意識は、終始一貫しているように思います。
私のように、こっちの音楽を聞きかじっちゃ、あっちの音楽を聴いてみたり、年中ふらふらしている奴とは、えらい違いです。
あれほどの、音楽的才能や技術、知識を持っていながら、アレコレやってみたくならないのかな~とも思いますが、
そこら辺が、己の技を極める「アルチザン=職人」と呼ばれる所以なのでしょう。
かっこいいです。
けれど、この「MELODIES」は、そんな彼の大きな分岐点な作品で、私は、山下達郎を「MELODIES」以前と以降に分けて捉えています。
簡単に言ってしまえば、それ以前は、達郎バンドという感じで、演奏も楽曲も共同作業的な色合いが強いのに対し、それ以降は、リリースの間隔も延び、音楽職人・山下達郎の作品集といった感じになっていきます
「BLUE MIDNIGHT 」は、達郎のデビュー当初から、彼のアルバムの沢山の名曲を作ってきた、名ソングライターコンビの山下達郎と吉田美奈子の最後の作品になってしまいました。
彼のバラードの中でも、特に好きな曲です。
達郎バンド的な雰囲気が強い曲でもあります。
「ミー・アンド・ミセス・ジョーンズ」などのフィリー・サウンドを思わせるギターの音色がとろけます。