厚生労働大臣の「年齢の上限を今の70歳から75歳程度に引き上げることを検討する」発言が一人歩きしてますね。
週刊誌の見出しでも「年金75歳支給に!」「元を取るには87歳まで生きないと無理」なんて、もう既成事実のような書き方をしてる所もあるみたいです。
実際の厚労相の発言は、現行でも70歳まで支給開始年齢を引き上げることができる・・。もちろん受給者本人が選択するんですよ・・・のを75歳まで範囲を広げるようにするって、ことなんですけどね。今のところは。
ところで、何かモノを買う時に1万円くらい値引きして欲しいなと思ったら、1万円まけてほしいとは言わず、その倍くらいの金額を値引きしてくれっていうことありませんか?ありますね!
これは、ごく初歩的な値引き交渉のテクニックですけど、まぁ要求の半分くらいで折り合うってのを期待してるわけですね。値切られるほうも、実際の要求はその半分くらいだなって分かるわけです。まぁそこからすんなり行くかどうかは交渉次第ってことで。
というわけで、じつは発言が「拡大解釈」されて、一人歩きすることも分かっててのバロンデッセ(観測気球)的な発言だろうと言う気はしますね。
で、さっきの値引き交渉のテクとか「足して2で割る」落としどころから考えれば、厚労省は現行の65歳支給開始を一律70歳に引き上げたいって言うのが本音なんだってことが、容易に想像できるわけです。
75歳になるぞって思わせといて、70歳にしますっていわれると、なんだか安心してしまいますね。
それこそが向こうの思う壺ってわけです。