賃上げ・昇給・ベースアップ 同じなようで同じでない? | 社老士の社労士業界徘徊記
最近殆ど見聞きすることがなかった言葉です。

まぁ賃上げ「なし」とか、定期昇給「廃止」とか、ベースアップ「見送り」といった否定的な言葉がくっついてるのは、おなじみでしたけどね。

で、賃上げと定期昇給とベースアップはどう違うかというと、定期昇給もベースアップも賃上げであることには違いありません。だからひっくるめて言うときは賃上げが一番手っ取り早いんですけども。

定期昇給とベースアップの違いについてですが、まぁ賃金というか給料が上がればドーでも良いいって人が多いと思いますけど、いちおうこれは別のものです。

定期昇給というのは定期的に昇給することです・・って、ようは毎年、4月になると給料が上がることなんかをいいますね。

就業規則には定期昇給に関する事項が記載されていると思うんですけど・・・絶対的必要記載事項ですので記載されてない就業規則はペケですのでね。

ごく大雑把な就業規則だと「定期昇給は毎年4月に行なう」なんて書いてありますね。で、その次にただし書きがついてるか、第2項があって、ようするに勤務成績が悪いとか、会社が儲かってない時はやらないよ、なんてことが書いてあります。

さて、もうちょっと踏み込んで昇給について説明すると、そこそこの規模の会社になると俸給表というのが作成されてまして、等級に応じて賃金がいくらになるかということが書かれています。

俸給表もいくつかのランク別に分かれてるのが普通です。たとえば平社員に適用する俸給表と管理職に適用する俸給表があって、それらがさらに主任用、係長用、課長用、部長用なんて具合に分けられていることもあります。実際は1号俸給表、2号俸給表なんて呼び方をするほうが多いと思います。

その中で、いくつかの等級が設けてあり、たとえば1等給15000円2等給155000円、3等給16000円といった具合に差が設けてあります。で、初任給が1等給とすると2年目は2等給、3年目は3等給というふうに、定期的に上位の等級へ上がって行くのが定期昇給です。

俸給表がある場合は、就業規則や賃金規程などで、例えば1年勤務したら1等級アップするといったことが具体的に書いてあります。もちろんただし書き、または次項でそのための条件が付けられているのも普通のことです。

次に、ベースアップとは、この俸給表全部を持ち上げることです。先の場合ですと1等給が150500円、2等給が155500円といった具合に金額がアップすることです。

ま、定昇・ベ・アどっちにしても賃金が上がることには変わりないのですけどね。

〒時代に賃金交渉が妥結すると、組合の機関誌なんかにベースアップ後の俸給表が記載されることになってました。これがなかなかうまい具合に作ってあるんですね。ある程度の期間勤務してても、役職に就いて上位の俸給表へ移らないと、最後には賃金が上がらなくなる仕組みがあるのが、なんともでした。

まぁほとんどの職員は自分の手取りがいくら増えるかだけを気にしてましたけども、そこら辺は公務員(いちおう)も民間もあまり変わらないですね(*^▽^*)。