わたしは幽霊を見た
このタイトルを見て「おっ!」と気付く人は、おそらく中村と同年代。
今になって考えても、実に恐ろしい本であった。
中村がこの本を手に入れたのは、小学校四年生のころ。
初版本の発行が<昭和四十八年>となっているから、
書店に出回ってすぐの新刊を買っていたわけだな。
元々クラスの女の子が持っていたそれは、中村に劇的なショックを及ぼした。
なぜなら・・・
実はこの本、中村が目にする生まれて初めての
“心霊体験”が書かれていたからなんだ。
自分がそれまで経験した様々なケース。
それは幼少期を過ぎると共に、“他言してはいけない”と自らを抑制してきた、
言わばパンドラの箱的なものだったんだ。
ショックだった。
(あれは自分の勘違いや、気のせいではなかったんだ!)
そう確信すると共に、自分が経験した以上の事例が書き連ねられたそれに、
強い強調観念が溢れ出した事は言うまでもない。
そしてこの絵だ。
これほど恐ろしく、当時の子供たちに衝撃を与えたモノはなかったろう。
今でも“トラウマになった絵”として、2ちゃんなどでスレが立つほどだ。
ところが。
この本、ことごとく手元から無くなってしまうんだ。
先日小学校時代の旧友と会食をしたのだが、みな口をそろえて
「そうそう、あの本いつの間にか無くなっちゃうんだよな!」
そう言っていたのを思い出す。
ちなみに、さっきネットの古本屋で検索したところ・・・
http://www.koshodejavu.com/item.cgi?item_id=shko01&ctg_id=shko&page=1
・・・かなりびっくりした。
いろんな意味で不思議な本である。