もう何年も前の話。

上京し、新しい仕事に慣れる為に必死で頑張っていた当時、帰りの時間はいつも夜の9時を廻っていた。


その日はいつも一緒に帰っている上司が残業だったので、駅まで30分の道のりを牛歩戦術宜しくダラダラ歩いた。

その上司というのが台湾の方なのだが、いつも競歩並のスピードで歩く人で日本人の中でもかなりグズグズしている私は毎日付いて行くのに精一杯だったのだ。

でも彼はとても面倒見が良かった、ていうかマヌケな私が非常に世話を掛けてしまった人だ。

花火大会の日に電車が異様に混んでしまい鈍くさい私が降りれなくなっていると、大声を出して『オリマス!オリマス!』と人を掻き分けてくれた、そしていつも電車に乗ると寝まくりな私を降りる駅で起こしてくれた。

その他にもまだまだ沢山あるが、'長くなるので'書くのを省略する。

なので上司がいないと一駅必ず寝過ごし、次の駅の激しいネオンで慌てて目が覚めるという駄目っぷりを草臥れたサラリーマン相手に強制的に披露していた。

その上司サマとは、本当に国籍やら何やらを意識せずに話をし、お互い出稼ぎ仲間だねと笑い合えた。


だから私は、外国の人に話し掛けられても出来るだけ普通に接するよう心掛けていたんだ・・・