落ちた鉛筆にも気付かずに、取留めのない文字を羅列してもいいだろうか


言葉を覚えたばかりの幼子にこんな下聞したことがある

『○○くんは、どうして△△ママの所に生まれてきたの?』


子守を頼まれたが一通り遊び終わってしまい、『次は何?』と休む間も無く期待する純粋な眼に、間を持たせようと何の気なしに言った言葉だった


その子は暫く思い出す素振りを見せ、私の傲慢無礼な質問に答えてくれた




『そこに海があったから。』



無邪気な嘘かもしれない


だけど、海から生まれた生命が教えてくれた綺麗な言葉を

私は今でもしっかり覚えている