外の世界からは忌避され

当然の愛すら注がれず


思い疎まれ

居場所の無いコドモ


彼が生を受けた星の下はあまりにも残酷過ぎて

幼い私は惨状に何度も目を背けた


拾の言葉も知らぬ子供が

執拗な虐遇に耐え


か細い声で繰り返すことば


『すき』



母親に追い縋り、泣き乍ら訴えるキミを見て


抱締める衝迫を抑制することは出来なかった

行場の無いキミの深い愛を受け止めたかった


コドモの腕からは溢れ落ちてしまう大きな思い


あの日キミが消えた小さな池

あれから何年も行く勇気がなかった


今、藤棚を潜り抜け

目の前に広がるキミの場所


乾上りかけた池汀にキミの欠片を見付けた

錆びてしまった小さい小さい眼鏡


このGlassを通してキミが見た世界は

どんな風に映ってたのかな

心の池を潤す暖雨が頻降る―


キミを忘れない

最後まで人を愛し、愛されたいと願った

小さ過ぎる命


きっと私は

出会って直ぐにキミに恋をしていたんだ