気付いたら闇で敷き詰められた迷宮の中

甘美な香り立ち籠める恍惚の境地

居心地は悪くなかった


唯只管にさ迷い歩いた

漂う馨香にトリップ

享楽に耽る─


暗闇に溺れ光を忘れていた

しかし幻覚は突然終わる


気付けば噎せ入る程の強い臭気


相変わらずどこまでも続く闇

恐ろしくても逃げ惑うことが出来なかった

足が彷徨う間に朽ちていた様だ

快楽は痛みを誤魔化す麻薬

激痛が走る


足が溶けて消えてゆく

泣き疲れ助けを請うのも止め全てを諦めた

その瞬間

Whiteoutに似た現象が起こる


そしてまた気付く

目の前に見馴れたパソコン


いつものデスク


漂う煙草の煙

還ってきた‥それとも夢魔か


これは何年も前の話─


だけど今もふと思う事がある

もしあの時希望を棄てていなかったら


別の出口があったのだろうか


と。




2006