【あらすじ】

ビーナス、セリーナ・ウィリアムズ姉妹は、全世界が知る世界最強テニスプレイヤー姉妹。その父親がテニス未経験ながらも、世界チャンピオンに育てあげた実話を基に映画化。

父のリチャード(ウィル・スミス)は、優勝したテニス選手が多額の小切手を手にする姿を見て、姉妹が生まれる前、既に子供を最高のテニス選手にすることを思い立ち、独学で指導法を研究し、世界チャンピオンを作る為の78ページにも及ぶ計画書(ドリームプラン)を作成する。

治安の悪いアメリカ・ロサンゼルス郊外のコートで、時には暴力、時には警察沙汰等、様々な批判や困難を克服しながら、父親の常識破りな営業活動が功を奏し、やがて娘たちを世界の舞台へと育て上げていく。

 

【見どころ】

タイトルや予告編からは、二人の姉妹が、幼少の頃から世界チャンピオンになるまでを描いているかのように思えるが、実際はそうではない。ある特定の期間、主な人物を中心に描かれている。この地点のおいても、思い通りに進まないストーリーにややストレスが溜まる!?((笑)が、実のところ、この物語に登場するキャラクターも皆、父親の常識外れの言動に、忍耐を強いられる作品と言えると思う。これ以上書くとネタバレになるので、あまり多くは語れないが、140分超の内容の中には、何度も足踏みするシーンがあり、予定調和にいかない作品だと言える。大体の映画は後半部になると、最後のオチが予想できますが、多分、これはほぼできないと思われます…(笑)

 

【評価】★★★☆☆3.9

2022年・第94回アカデミー賞では作品賞、主演男優賞(ウィル・スミス)、助演女優賞(アーンジャニュー・エリス)ほか計6部門にノミネートされただけに、ストーリー以外の色々な要素が盛り込まれています。人種問題や暴力問題等、アメリカが抱える問題点や、スポーツを通じて、幼少の頃より商品として子供を扱う大人の商業的な考え方に対するアンチテーゼ等。今や世界的な作品にこれらの要素を盛り込まないとなかなか受賞に辿り着かないのでは?と思う程、お腹いっぱいになります(笑)が、見どころにも書いた通り、予定調和にいかないもどかしさも、逆にストーリーに目が離せなくなるところも勘案し、(4までは行きませんが)3.9とさせて頂きます。