死亡者が増えるということは葬儀会社の仕事での対応が増えることを意味します。
しかしこれは葬儀社にとって仕事の依頼が増えるという単純な話ではありません。
このままでは「葬儀崩壊」が起こってしまうのではないかと危惧されておりますが、現状東京の葬儀業界で起こっている新型コロナウイルスで亡くなられた方の対応について、お伝えさせて頂きます。
新型コロナウイルスで亡くなられた方でも、すぐには火葬できない現状
新型コロナウイルスなどの国が定める指定感染症で亡くなられた方は「24時間以内での火葬を認められています」
これは感染症が遺族をはじめ、他の方に感染しないように特例として認められているのですが、実態としてはすぐに火葬ができない状態です。
今回のコロナウイルスで特に心配される東京都ではこの状況が特に深刻です。
東京は通常時でも火葬までに「日数が掛かる」
地方では火葬の予約を行い、火葬までに2日または3日もあれば火葬を行うことが可能です。
状況によっては亡くなってから次の日に火葬も行う場合も十分可能です。
しかし、日本一の人口密度である東京(特に23区)では事情が異なります。
毎日人が亡くなる中で、東京は特に火葬場の予約までに日数が必要で、通常時でも5日から7日ほど火葬予約を行うのに時間が掛かってしまうのが現状です。
人口が集中しすぎている東京ならではの事情ですが、新型コロナウイルスに関係なく、火葬場不足が従来からの課題であり、今後死亡人口が確実に増えますので、状況はさらに深刻になっていきます。
新型コロナウイルスで亡くなった方でも火葬予約を早めてくれるわけではない
東京都では火葬場が新型コロナウイルスで亡くなった方は、特別に早く火葬予約ができるというわけではありません。
当初は特別に枠を設けるのではという話がありましたが、現状は新型コロナウイルスで亡くなった方の火葬ができる火葬場は限定し、先日私たちが確認を行った中では、東京23区の火葬場で最短で6日後、中には9日後と回答があった火葬場もございました。
新型コロナウイルスで亡くなった方は東京23区では上記の日数まで火葬できないのが現状です。
新型コロナウイルスで亡くなった方の対応をお断りする葬儀社が大多数
今回のコロナウイルスの最大の問題は、亡くなった方の対応を行う葬儀社が断るケースが大多数ということです。
理由として、
まだコロナウイルスに関して「不明な点が多すぎる」
もし感染してしまった場合の「回復方法が確立されていない」
病院の衛生状態が「病院により大きく違い」があり、対応が異なる。
葬儀社/葬儀屋従業員が感染をしてしまった場合、通常営業ができなくなってしまい、最悪事業廃業の可能性があり得る状態になる。
そして新型コロナウイルスで死亡された方を「自社の安置施設や葬儀会館で何日間か預かること」は「葬儀社に相当なリスク」となります。
そしてそもそも東京都内は安置場所も少なく、自社で葬儀会館や安置所を保有する葬儀会社が少ないため、対応ができないことが現状です。
葬儀業界の特徴でもある「90%の葬儀事業者が10名以下の中小企業」であり、中小規模の葬儀社では新型コロナウイルスを対応することは稀であるのが現状です。
このような状況の中で、実際にご遺族が困ってしまい、インターネットを検索し、当社に相談をされたご遺族の方がいらっしゃいます。
葬儀の現状情報をこれからも発信して参ります。