1. 正式エントリーリストで見る富士24時間
公式エントリーリストによると、2026年富士24時間レースは11クラス合計62台で行われます。クラス内訳は、ST-Xが7台、ST-Zが11台、ST-TCRが2台、ST-USAが1台、ST-Qが5台、ST-1が2台、ST-2が8台、ST-3が2台、ST-4が10台、ST-5Fが6台、ST-5Rが8台です。
以前の記事では「参戦車種の紹介」を中心にしていましたが、正式エントリーリストの発表により、どの車両がどのクラスに出るのかが明確になりました。今回は、車種名だけでなく「どんな特徴の車なのか」「どこに注目すると面白いのか」も要なST-Zの主力。
2. ST-X:GT3マシンの総合優勝争い
ST-Xは、富士24時間の総合優勝争いを担う最上位クラスです。正式エントリーでは7台が登録され、Mercedes-AMG GT3、LEXUS RC F GT3、GT-R GT3、Ferrari 296 GT3といったGT3マシンが並びます。
Mercedes-AMG GT3 / GT3 EVO
ST-Xでは、TKRI、Craft-Bamboo Racing、TEAM POP RACE、R ZERO RacingがMercedes-AMG GT3系マシンでエントリーしています。AMG GT3は耐久レースでの実績が豊富な車種で、富士の長いストレートでも存在感を発揮しそうです。
- 特徴:安定した高速性能とGT3らしい総合力。
- 見どころ:複数台エントリーのため、AMG勢同士の比較がしやすい。
- 注目車両:No.23、No.33、No.44、No.182のAMG GT3系。
LEXUS RC F GT3
aprはNo.31 DENSO LEXUS RC F GT3で参戦します。日本メーカーのGT3として、富士24時間ではファンの注目度が高い1台です。ドライバーには永井秀貴、蒲生尚弥、小河諒、嵯峨宏紀、阪口晴南が登録されています。
- 特徴:大排気量FR GT3らしい力強さと安定感。
- 見どころ:日本車GT3として、AMG勢やFerrari、GT-Rとの比較が面白い。
- 注目車両:No.31 DENSO LEXUS RC F GT3。
Nissan GT-R GT3
GTNET MotorSportsはNo.81 DAISHIN GT-R GT3でエントリーしています。GT-R GT3は日本のGTファンにとって馴染み深い車種で、富士24時間でも存在感のある1台です。
- 特徴:GT-Rらしい迫力あるスタイルとパワー感。
- 見どころ:富士の長いストレートでの伸び、夜間走行での存在感。
- 注目車両:No.81 DAISHIN GT-R GT3。
Ferrari 296 GT3
D'station RacingはNo.777 D'station Ferrari 296 GT3で参戦します。Ferrari 296 GT3は最新世代のGT3マシンとして見た目の華やかさもあり、富士24時間のST-Xで注目される1台です。
- 特徴:最新世代GT3らしい空力と洗練されたパッケージ。
- 見どころ:AMG、LEXUS、GT-Rに対してどこまで戦えるか。
- 注目車両:No.777 D'station Ferrari 296 GT3。
3. ST-Z:GT4マシンのバランス勝負
ST-ZはGT4車両によるクラスで、正式エントリーは11台です。GR Supra GT4 EVO2、Z NISMO GT4、GT4 RS CS、Audi R8 LMS GT4、AMG GT4などが参戦します。
GR Supra GT4 / GT4 EVO2
ST-Zで最も台数が目立つのがGR Supra GT4系です。Team Noah、青山学院大学自動車部S耐チーム、TRACY SPORTS、埼玉Green Brave、WING HIN MOTORSPORTS JAPAN、SHADE RACINGなどがGR Supra GT4系で参戦します。
- 特徴:GT4らしい扱いやすさと、FRスポーツらしいバランス。
- 見どころ:台数が多いため、GR Supra同士のチーム力比較が面白い。
- 注目車両:No.5、No.8、No.38、No.52、No.338、No.885など。
Z NISMO GT4
ST-Zには、No.20 NANIWA DENSO IMPUL with マツモトキヨシ Zと、No.25 日産メカニックチャレンジ Z NISMO GT4がエントリーしています。日産Z系GT4として、GR Supra勢との対決が楽しみな車種です。
- 特徴:日産ZらしいロングノーズFRスポーツの雰囲気。
- 見どころ:GR Supra GT4勢との国産FR GT4対決。
- 注目車両:No.20、No.25のZ系マシン。
GT4 RS CS / R8 LMS GT4 / AMG GT4
ST-Zには、KOKUSAI GROUP SPORTSのGT4 RS CS、TECHNO FIRSTのR8 LMS GT4、Team YUKのAMG GT4も参戦します。GR SupraとZが多い中で、欧州GT4勢がどれだけ存在感を出せるかも見どころです。
- GT4 RS CS:ポルシェ系らしい軽快さとレーシングカー感が魅力。
- R8 LMS GT4:アウディらしい安定感とGT4らしい扱いやすさに注目。
- AMG GT4:GT3ほど過激ではないが、AMGらしい迫力あるGT4マシン。
- 注目車両:No.22、No.34、No.77。
4. ST-Q:メーカー開発車両の実験場
ST-Qは、スーパー耐久の中でも特に技術開発色の強いクラスです。正式エントリーでは、GR YARIS M concept、GR Corolla H2 concept、MAZDA SPIRIT RACING 3 Future concept、SUBARU HIGH PERFORMANCE X VersionⅡ、GR Yaris DAT Racing Conceptの5台が登録されています。
GR YARIS M concept / GR Yaris DAT Racing Concept
GR Team ORC FieldのNo.28 GR YARIS M conceptと、GR Team SPIRITのNo.104 GR Yaris DAT Racing ConceptがST-Qに参戦します。GR YARIS系は、トヨタの小型スポーツ車をベースにした開発色の強い車両として注目されます。
- 特徴:コンパクトスポーツをベースに、耐久レースで技術を磨く開発車両。
- 見どころ:24時間で何を試すのか、信頼性と開発要素の両立。
- 注目車両:No.28、No.104。
GR Corolla H2 concept
TOYOTA GAZOO ROOKIE Racingは、No.32 TGRR GR Corolla H2 conceptで参戦します。ドライバーにはMORIZO、石浦宏明、大嶋和也、豊田大輔、福住仁嶺が登録されています。
- 特徴:水素エンジン系コンセプトとして、スーパー耐久らしい開発枠の象徴。
- 見どころ:速さだけでなく、24時間を通した燃料・耐久・運用面のデータ取得。
- 注目車両:No.32 TGRR GR Corolla H2 concept。
MAZDA SPIRIT RACING 3 Future concept
MAZDA SPIRIT RACINGは、No.55 MAZDA SPIRIT RACING 3 Future conceptで参戦します。マツダの将来技術や耐久開発の方向性を見るうえで、ST-Qの中でも注目度の高い1台です。
- 特徴:マツダらしい市販車開発とモータースポーツの接点を感じられる車両。
- 見どころ:Future conceptとして、どんな走りと信頼性を見せるか。
- 注目車両:No.55 MAZDA SPIRIT RACING 3 Future concept。
SUBARU HIGH PERFORMANCE X VersionⅡ
Team SDA Engineeringは、No.61 SUBARU HIGH PERFORMANCE X VersionⅡで参戦します。ドライバーには伊藤和広、山内英輝、井口卓人、花沢雅史、伊藤奨が登録されています。
- 特徴:SUBARUらしい高性能モデル開発の延長線上にある注目車両。
- 見どころ:山内英輝、井口卓人らの走りと、24時間での安定性。
- 注目車両:No.61 SUBARU HIGH PERFORMANCE X VersionⅡ。
5. ST-TCR/ST-USA/ST-1:個性派クラス
ST-TCRは2台で、No.19 BRP★NUTEC 制動屋 CUPRA TCRと、No.430 エヴァRT初号機 Monster RS3 LMSがエントリーしています。TCR車両はFFツーリングカーらしい動きが特徴で、GT系とは違うライン取りやバトルが見どころです。
ST-USAは1台のみで、No.250 BRP★HOJUST MUSTANG DHRが参戦します。マスタング系の車両は富士の長いストレートでの迫力が期待され、音や見た目でも観客の印象に残りそうです。
ST-1は2台で、No.2 KTM系車両と、No.47 D'station Porsche 992がエントリーしています。台数は少ないものの、車種の個性が強く、長時間での信頼性やペース配分が重要になるクラスです。
6. ST-2/ST-3:量産スポーツ系の耐久勝負
ST-2は8台で、EVOⅩ、GR YARIS、CIVIC FL5などが参戦します。シンリョウレーシングチームのEVO勢、ENDLESSのGR YARIS、TEAM SPOONやHonda R&D ChallengeのCIVICなど、メーカー・チームごとの色が出やすいクラスです。
CIVIC FL5系
ST-2には、HCM UCHINO RACING、日本自動車大学校、TEAM SPOON、Honda R&D ChallengeなどがCIVIC系車両で参戦します。FFスポーツとしての高い完成度と、耐久での安定性が注目です。
- 特徴:FFスポーツらしいコーナリングと安定感。
- 見どころ:TEAM SPOON、Honda R&D Challengeなど、ホンダ系チームの戦い。
- 注目車両:No.36、No.72、No.95、No.743。
GR YARIS / EVO系
ST-2にはENDLESS GRYARIS、KTMS GR YARISに加え、シンリョウレーシングチームのEVOⅩ系車両も参戦します。四輪駆動系のホットハッチ/スポーツモデルとして、天候変化や夜間走行での安定感に注目したい車種です。
- 特徴:コンパクトながら高性能な4WDスポーツ系。
- 見どころ:雨や夜間など、コンディション変化での強さ。
- 注目車両:No.6、No.7、No.13、No.225。
ST-3は2台で、Hitotsuyama RacingのBMW M2 Racingと、TRACY SPORTS with RCITのRC350が参戦します。FR系の量産スポーツ/プレミアムモデルが24時間でどう走るかに注目です。
7. ST-4/ST-5F/ST-5R:身近な車種の大激戦
ST-4は10台で、GR86、ロードスターRF、NCロードスター、SWIFT Sportなどが参戦します。特にGR86勢が多く、ENDLESS、浅野レーシングサービス、TRACY SPORTS、チーム ジーモーション、木附製作所、HMR Racing、SHADE RACINGなどがGR86系でエントリーしています。
GR86系
ST-4の主力はGR86系です。FRライトウェイトスポーツとして、ドライバーの腕やセットアップ、タイヤマネジメントが出やすい車種と言えます。
- 特徴:軽量FRスポーツらしい素直な挙動。
- 見どころ:同車種が多いため、チーム力とドライバー差が見えやすい。
- 注目車両:No.3、No.18、No.41、No.60、No.86、No.216、No.884。
FIT / DEMIO系
ST-5FはFITとDEMIOが中心のクラスです。チームBRIDE、SAKAE MOTORSPORTS、TEAM NOPRO、TEAM YAMATO、AndLegal Racingの2台などが参戦します。
- 特徴:日常で見かけるコンパクトカーをベースにした親しみやすさ。
- 見どころ:車速差の大きい混走で、安定して24時間走る技術。
- 注目車両:No.4、No.11、No.17、No.67、No.821、No.822。
MAZDA ROADSTER系
ST-5Rは8台すべてがロードスター系です。メイプル広島レーシングチーム、LOVEDRIVE RACING、OVER DRIVE、村上モータース、倶楽部 MAZDA SPIRIT RACING、KOSHIDO RACING、FETSレーシングなどが参戦します。
- 特徴:軽量・低重心・FRの楽しさが詰まったクラス。
- 見どころ:ワンメイクに近い接戦、夜間の小排気量車同士の粘り合い。
- 注目車両:No.27、No.50、No.65、No.88、No.89、No.120、No.610、No.888。
8. Xの反応として入りそうなポイント
正式エントリーリスト発表後は、Xでも車種に対する反応が多く出そうです。特にST-XのGT3勢、ST-Qの開発車両、ST-ZのGR Supra GT4勢、ST-5Rのロードスター8台などは話題になりやすいポイントです。
- 「ST-X、AMG多いけどLEXUS、GT-R、Ferrariもいるのが熱い」
- 「ST-Qは完全にメーカー開発車両の見本市。GR Corolla H2とSUBARU HIGH PERFORMANCE Xが気になる」
- 「GR Supra GT4 EVO2がST-Zで多い。GT4同士の差が見やすそう」
- 「ST-5Rロードスター8台は絶対接戦。夜間も追いたい」
- 「FITやDEMIOがGT3と同じコースを走るのがスーパー耐久の面白さ」
9. まとめ:車種を知ると富士24時間はもっと面白い
2026年の富士24時間は、正式エントリーリストにより11クラス62台の参戦が明らかになりました。ST-XのGT3、ST-ZのGT4、ST-Qの開発車両、ST-2のCIVICやGR YARIS、ST-4のGR86、ST-5FのFIT、ST-5Rのロードスターまで、まさにスーパー耐久らしい多彩な車種が集まっています。
車種を知っておくと、単に順位を見るだけでなく、「この車は総合を狙う車」「この車は開発目的の車」「この車は身近な量産車ベースの車」といった見方ができるようになります。富士24時間は24時間もあるので、推しチームだけでなく、推し車種や推しクラスを作って観るのがおすすめです。
個人的には、ST-XのGT3総合争い、ST-Qの開発車両、ST-5Rのロードスター接戦、この3つを軸に追うとかなり楽しめそうです。正式エントリーが出たことで、いよいよ富士24時間が近づいてきた感じがあります。