先日、地元新聞に小学生向けの副読本「白川静 博士の漢字の世界へ」が刊行され、県庁の売店でも購入可能とあったので、挨拶回りのついでに購入しました。

白川静(しらかわ しずか) 博士とは?
福井県福井市出身の漢文学者・漢字学者。漢字研究の第一人者で、「字統」「字訓」「字通」の字書三部作をライフワークとし、甲骨文字や金文から派生した漢字の成り立ちを研究し、新しい解釈の漢字の世界観を作り上げた方です。
この古代文字。
ほとんどの解釈は、人の顔にある「口」だったそうですが。白川博士は、人が神様にお願いごとをする為に書いた文を入れる器の形である「サイ」を表していると発見したそうです。このような宗教的、呪術的な背景が漢字の成り立ちにあるというもの。
福井人でありながら2006年に96歳で亡くなるまで存じ上げず、NHKでこの白川文字学を応用して子供達に漢字の成り立ちを教えている番組を見てから興味を持っていました。
今回の本には、小学1年生から6年生の間に学ぶ1,006字の漢字が収録。小学生向けの漢字解説本ですから分かり易い。
例えば、福井の「福」という文字。古代文字では、こんな形。
音を表すのは、畐(フク)。畐(フク)は、酒だるのように真ん中が膨らんだ器の形。示(ジ)は、神を祭る時にお供え物を乗せる祭卓(サイタク=机)。福は、神前に酒だるを供えて祭り、幸いを求めることを意味する。(「白川静博士の漢字の世界へ」から引用)
なるほど、面白い。これを考えると、「福の神」「幸福」で使用されている「福」の漢字が持つ意味がよ~く分かる気がします。
そういえば、私の名前に「祥」という漢字があるのですが、「これは祭卓に羊を神に捧げているのを表す良い漢字なんだよ。」と祖父に教えてもらった事がありました。小学生の子達が、こんな意味も知って漢字を習ったら、漢字が楽しくなるでしょうね~。
君にはまだ早過ぎた。まずは、ひらがなを覚えましょう~(笑)
他にもいろんな漢字を見ましたが、面白い!ここで紹介したいところですが書ききれません。ん?一日一文字ずつ紹介すれば、1,006日か…。な~んて。
しばらくは白川文字学の世界に浸りたいと思います。