袴田事件や滋賀・呼吸器事件といった再審事件が話題になる昨今、

注目されているひとつに大崎事件があります。

 

 大崎事件は、殺人事件として被害者の長兄、次兄、長男の妻、甥などが逮捕・起訴された事件です。

 無罪を訴えているのは長兄の妻(長兄、次兄は既に死亡)で、殺人事件ではなく事故死だという主張。

 この事件で、重要な証拠になったのが共犯者である長兄、次兄、甥の自供なのですが、なんとこの三人ともに知的障害や精神障害の傾向があったというのです。

 長兄の妻は一環として無罪を主張しました。甥も受刑後無罪を主張していましたが再審が却下され自殺してしまいました。

 2002年の再審請求は地裁で認められましたが、高裁で取り消し。

 2010年の再審請求は地裁で棄却

 2017年の再審請求で地裁が再審を認め、高裁もこれを支持しましたが、最高裁が取り消しました。

 

 この事件の真相は分かりませんが、少なくとも有罪とするだけの証拠があったのかは、疑問があります。

 滋賀・呼吸器事件でも、冤罪に巻き込まれた当人に軽度の知的障害と発達障害がありました。

 当人の言動を見ていればそれは誰にでもわかったことだと思います。

 現在、少なくともこのような冤罪事件が起こった当時の裁判では、こうした一見にして明らかな事実よりも自白調書が重要視されてきたのだと思います。

 

 冤罪に対する本当の償いは誰にもできないのではないでしょうか。

 お金などでは償えないと思います。

 検察官の方々には、少しでも疑いが残るのであれば起訴をしない、裁判官の方々には少しでも疑いが残るのであれば無罪にする、という勇気を持ってほしいと思います。