韓国一の美人女優と、「いないも同然」というあだ名の冴えない
郵便局員が、偽装結婚の末に結ばれる、韓国ドラマでは
ありがちなストーリー。
不治の病も記憶喪失も、ドロドロとした人間関係もまるでない
平凡なドラマ設定。
おまけに、ヨン様もビョン様も、キム・テヒといった(僕にとっての)
ビッグネームが誰一人も名を連ねていないキャスト。
「批評のオンパレード」をしてしまいましたが、なんとこんな作品に
今おもいっきりハマッています。
僕にとって間違いなく、これまでに見た韓国ドラマの中で
ナンバー1、そして「失いたくない作品」ができました。
何の話かというと、先週までBS日テレで放送されていた韓国ドラマ・
「アクシデント・カップル」のことです。
BS番組の録画予約に失敗。見たかった番組の代わりにHDに入って
いたのが、この作品。
僕のその後の生活を変えるドラマとの出会いは、この録画予約ミスから
始まったのです。(←このコメント、わかる人にはわかるはず)
「無条件で悪いことはない」「幸せになるには笑うしかない」「四角い空」
「頭を空っぽにする方法」「3つの願い」「ネクタイ」「テンジャンチゲ」
「人間は食べないと死ぬ」「さわやかな海」、そして「虹のかなたに」…
主人公の郵便局員・ク・ドンベクのように着飾らない、ごく普通のセリフや
シーンの連続なのですが、ほのぼのと胸をジーンとさせてくれて、
ハッピーエンド好きには堪らないドラマだと思います。
また、このセリフやシーンが単発に終わらず、ある時はドラマの伏線となり、
ある時は主人公たちの心情を見事に表現する「アイテム」になるなど、
思わず微笑んでしまう、心憎いばかりの脚本・演出なのです。
今となってみれば、「良くぞ録画予約を失敗した」と自分で自分を褒めるほど。
まさしく「無条件で悪いこと」は、この世の中にないのかも知れません。
OSTも珠玉の1枚。
中島美嘉の「雪の華」の作曲者・松本良喜の主題歌や、平原綾香が韓国語で
歌う「感謝」などの挿入歌だけでなく、最終話の偽装結婚を告白する会見
シーンで流れる曲「道」や、ラストシーンを感動的なものにする「僕の心の中の
子守唄」といったインスト曲も秀逸なものばかりです。
(コミカルシーンにヨーデル風の曲を使うなんて、素晴らしいセンス!)
そして、そんな素晴らしい材料を使って(ごま油も入れないで)、さらに見事な
料理に仕上げたのが、(僕にとっては無名な)素敵な役者たち。
1話目では「スッキリした江頭2:50」にしか見えなかった主人公・ドンベク役の
ファン・ジョンミンssi。
普段の話し方も素顔もドンベク以外の姿が想像出来ない程、まさにハマリ役。
ヒロインのハン・ジスを励まし、守り、愛する不器用な郵便局員を見事なまでに
演じています。(彼のセリフはマジで感動させます)
兄ドンベク想いの妹・ミンジ役のイ・チョンアssi、ドンベクの人柄に惚れ、偽装を
本物の結婚にしようと努力するハン・ジスの弟・サンチョル役ペク・ソンヒョンssi
(「天国の階段」でクォン・サンウの子役がこんなに大きくなった!)といった
共演者が、またドラマをより感動的なものにしています。
さらに、「ファン・ジニ」でジニの母親役だったチョン・ミソンssiがハン・ジスの
マネジャー役を、「アイリス」で科学捜査室長、「太陽の女」では家族に
先立たれた不幸な大企業社長役だったユン・ジュサンssiが郵便局長役を
コミカルに演じるなど、派手さはないものの「適材適所」の配役で盛り上げて
います。
そして何よりも僕を引きつけたのが、ハン・ジス役のキム・アジュンssi。
ドラマの前半は恋人のキム・ガンモのスキャンダル隠しのためにドンベクと
結婚させられたり、恋人の裏切りにあってドンベクに冷たくあたる、
メチャクチャ綺麗だけど、キツイ表情ばかり。
しかしドンベクと打ち解け、「偽装結婚生活」で同居を始めてからは、
「どんだけ可愛いんだ」という表情を見せまくりです。
4度のキスシーン(偽装キスも含む)はもとより、酔っ払ってドンベクに嫉妬する
「郵便局のおじさん」歌唱シーン、ドンベクに五目ならべで5連敗しルールに
イチャモンをつけるシーン、郵便局の女性局員からYシャツの胸に
キスマークをつけられたドンベクをからかおうとして、逆にキス寸前までいく
シーン…などなど。
徐々にドンベクに惹かれていくジスの様々な心情を演じる、その切れ長の
大きな瞳に豊かな表現力、そして素晴らしい歌唱力を持つ彼女は役柄同様
すでに「韓国一の女優」と言っていいのではないでしょうか?ご参考までに…。
というわけで、僕はBSでは毎回カットされていた15分あまりのシーンを
見るべく、この度DVD-BOXを購入!
心がホッとする瞬間を楽しみ、キム・アジュンssiの笑顔に会うため、
毎晩遅くまで夜更かしをする生活を過ごしています。
東京は2週間以上も熱帯夜が続く毎日。多くの人が寝不足の日々を過ごして
いるのではないでしょうか?
僕もまた今夜、「アクシデント・カップル」という名の「熱帯夜」に、睡眠時間を
奪われてしまいそうです。