CAD/CAMってなに?

と思われた方。

ネット上の辞書にはこう書いてありますね。

「口腔内に装着される修復物や補綴物の設計及び加工に用いられる複数の装置をCADCAMの技術を用いて統合したシステムのこと。」

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%AF%E7%A7%91%E7%94%A8CAD/CAM%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0


つまりはお口の情報をPCで設計加工できるようにデータとして処理し(光学印象し)、データとしてPC上で画像処理によって設計し(拡大も縮小も思いもまま、3次元データとして細かく設計や計算も可能)、その設計を加工機に指示として出し、材料をセットしてボタンを押せばミリングマシーンが自動でブロックから必要な形態に削りだして(加工して)くれるというシステムってことです。

日本もGCという会社が大学と協力して約30年前からニコンや日立と開発を行っていたようですが、

先見の明がないというかなんというか、投資力がないというかなんというかわかりませんが、

今じゃあすっかり海外の会社が世界シェアを独占していますよ。

相変わらずですが、全然イケテナイ国、日本駄目です~~~

まあ、遅ればせながら日本は金属資源が枯渇してますから

(輸入に頼ってますからね。金属が高騰し続けてるんです)さすがにこれはまずいだろうって思ったんでしょうか?

保険適用に2014年4月からCAD/CAM冠というものが保険収載になりまして

長~~~い戦後の金パラ(ロストワックス法)での治療一択から変更時期に突入してきているのですが、

初期トラブルが多く、懲りた臨床家がGCのセラスマート(保険適用素材のハイブリッドレジン=これを時にセラミックという医院があったりするのでおかしいのだが、セラミックの細粒を練りこんで作ってある強化型樹脂)全然駄目ジャン。ってなった時期もあったのですが、今では割りと多くの歯科医院がCAD/CAM冠が保険で出来る医院として事前登録を行うまでに至っています(これ、面白いのは首都圏は保険で出来る歯科医院にわざと登録していない歯科医院が多いのですよね。面白いですよね。。⇒郵政民営化やJR分社化で何が問題になっているか知ってれば理由はわかりますよね=首都圏じゃ保険治療で白い冠の治療をやってたんじゃアコギな商売でもしなきゃ潰れちゃいますものね。地代高いし人件費高いし、ハイソな生活しようと思っちゃいますよねきっと歯科医も・・・・何かとお金が足りないでしょ。都会じゃきっと・・・保険でやってたんじゃ)

で、CAD/CAM.

どこの機械が歯科医に人気があるか?っていえばやっぱり今はsironaって会社のCERECシステムが人気が高いのですよね。

臨床ではソフトが充実しているのがいいですね。

当院も最初は優秀な機械を世界各地から輸入してきて自社扱い品として販売するYっていう会社の扱い品を導入することも考えたのですが、やっぱり今はCERECがずば抜けてよかったです。使いやすさが。

 

で、CERECを導入するに至ったのですが、これで、スーパーエナメルを試作してみるとどうなるか?って

ことで早速試作してみました。

素材は0.1mm薄さまで削りだしOKですよということで3MのLAVAという素材で作ってみました。

さすがに薄いですね。

滅茶苦茶下地が透けて見えてます。

HTですからハイトランスルーセンシー(透明感強め素材)です。

犬歯の先端にスジが入っていますが内面を引っかくとスジ状に入るだけで別に割れているわけではありませんので十分ですね。

 

ただ、LAVAはLAVA。どうやってもLAVAですからLAVAどまりの質感に仕上がっています。(細粒が非常に細かいセラミック粒子が目いっぱい入ってはいるがべース樹脂という素材)弾性が少し期待できますから下の歯によいでしょうね。

 

もちろん、お口の中で盛り上げるダイレクトボンドよりはよっぽど素材は清潔で気泡のまき込みもなく吸水性もコンタミもありませんから素材の安定度は樹脂の中では最高に近いくらいのものになります。(が、質感がね~~~と思う人もいるでしょう)
作製は技工士さんにお願いしました。

シロナコネクト(ネットで提携技工所と情報がいつでも簡単に共有できる)大活躍です。

CAD/CAMが保険導入された際、大いに問題になったのはシステムを扱うオペレーターが下手だったということやミリングバーの径に問題があったということを知っていますから、CERECは院内で加工まで可能なシステムも組むことが可能なのですが、院内における加工機のグレードはやはりラボ用のものとは比較になりませんからラボ用の機械一式で作ってもらうほうがよりよい物が出来るのです。もちろん、1DAY治療を可能にしたいというようなわがままな患者需要に応えようと思えばよいものを作るのは諦めちゃって院内スタッフが作るということをする場合もあるでしょうが、スーパーエナメルであれば歯は基本削りませんから1DAYであんまり適合がよくないものを目をつむって歯につけてもらうよりも2回来てよいものをつけてもらったほうがよいように思いませんか?ってことでうちの医院ではダブルトリプルチェックが入るラボワークはラボで。しかも出来るだけ上手い技工士さんい依頼して頑張ってよいものを納品してもらうというシステムにしてみました。

 

 

今後、臨床応用するにあたりもうちょっと工夫してるかもしれませんが、とりあえず試作品はよい感じのシステム稼働で可能になっています。