匿名さんから、

 

こんな質問が届きました。

 

「なぜ矯正に100万円位の大金がかかるのですか?

ただワイヤーを歯全体に装着するだけですよね?


ぼったくりにしか見えません。」

 

 

 

 

一般に100万円近くかかる矯正治療が

 

「ぼったくり」みたいとは、いきなり来ましたね(^_^;)


 

ふつう、矯正治療はとても高額な治療費を要求されます。

 

でも、以前私が子どもだった頃から治療費はあまり上がっていないのではないでしょうか?

 

いや、、むしろ、安くなってると思います。

 

30年以上前と比較したら技術や材料は非常に進化しているのに、

 

価格は上がっていないのですから、

 

実は、物価の優等生としては、「卵」並みなのではないでしょうか(^o^)丿




 

実際、処置料・経過観察料として、3千円とか、5千円とかが毎回必要で、

 

経過が長引けば長引くほどトータルで必要な金額が高額になっていったりします。

 


例えば、3千円~5千円の処置料・経過観察料が必要な場合だと、

 

装置装着まで2週間に一度程度通院、その後動的治療終了(約2年)までに1ヶ月に1度通院とすると、

 

8万円~15万円の追加費用が矯正代とは別に必要というふうです。

 

他医院で矯正された患者さんから総費用120万円かかったとか、

 

200万円近くかかったなんて話も聞きますから、

 

実際にはまだまだ庶民には高値の花の治療法なのでしょう。


 

さて、矯正治療をする際は、

●相談料(無料~数千円程度=歯科医師の時給??場所代?)

●検査費(数万円~十万円程度=高度な機械を使用するため。

       また、分析に技術や時間を必要とするため。

       模型などを作ると技工代や材料代が追加で必要。

ココでケチると、プランを立てずに長旅に出るような感じになり、ロクなことにならない

●矯正治療費(技術料、設備使用料、材料代、技工代等々様々。

         審美的要求が強い今時メタルブラケットは流行らないが、コレなら比較的安いかも?

         セラミックブラケットなどは、超高価!豆粒みたいなのが1個数千円!外れたり、着け替える

         ケースも多々あり

         ワイヤーは、量販店で売ってるのとは質が違う!口の中でイオン化したり、錆びたりしちゃだめでしょ?しかも、形状記憶合金だったり、熱可塑性ワイヤーだったり、超弾性ワイヤーだったり・・・意外と高度な性能(こういうところでケチって怪しげなものを使う先生なんて皆無でしょうね。)

舌側矯正の最高峰などは、CAD/CAMでブラケットからフルオーダーメイドでキャスティングする場合もあり(ドイツに発注)技工代・材料代だけで数十万がすぐに飛んでいく・・・・)

って、とにかく高価極まりない!小さくて精密なものは、高価なのです。しかも、生体適合材料=医療用はどれも高価!

非抜歯矯正の場合はさらに、特殊な拡大装置が必要だったり、ミニスクリューやインプラントアンカーなども必要になる=安い訳がない!

●抜歯代(矯正のための抜歯・投薬は保険が適応出来ないので自費になる)        

●処置料・経過観察料(8万~15万円程度。最近はこれがフリーの医院もある)

●投薬代

●歯ブラシなどの口腔内予防用具、予防剤費用

●保定装置代・固定装置代(装着費)

 

以上がどのように矯正治療費に入っているのか契約前によく確認しておく必要がある。


 

矯正治療が開始して、いったんブラケットがつけば、

 

自分では取り外すことが出来ない上に、

 

歯磨きは非常に困難になります。

(矯正中に歯磨きが上手くできずに虫歯や歯茎の炎症をおこす患者さんって結構多いのです)。

 

虫歯や歯周病にならないために歯磨きにはかなり時間をとられるようになるとか、

 

装置が外れたり、口内炎や傷が出来たり、食事がしにくい、

 

喋りにくい、笑顔を作りにくい、口が開きやすいなど、

 

矯正中の患者さん自身は結構苦労が多いのです。


 

歯も4444とか、8888とか、

 

下手をすれば55まで抜歯が必要と診断されたり・・・・

 

全く、踏んだり蹴ったりなのに、

 

何で百万円も出して矯正をするんでしょうね????


 

しかも、動的治療の後には、必ず保定が必要だし、

 

仕上がりの完成度や、不良習癖が患者さん自身治せなかった場合などは、

 

必ず後戻りしますから、

 

装置を外した直後から歯はまた少しずつ動き始めます

 

(力と筋肉のバランス、歯と歯の接触状態の安定した位置へと

歯はある限る動き続けてバランスを保っているものなのです)、

 

MFTも教えてもらって訓練しとく方がいいし、

 

5年後、10年後には、またちょっとやり直したくなったり・・・・


 

百万円も払ってするようなことじゃないんじゃないか????って、

 

思う方がいても仕方がないかもしれませんね・・・・


 

田舎の歯医者さんの歯科医院では、

 

成人矯正85万円(矯正認定医が担当します)、

小児矯正21万円、

トレーナー矯正12万円です。

(矯正の経過観察料も含まれています)

 

成人矯正以外は思いっきり、価格を下げています。

 

他の医院では不可能な費用かも・・・

 

特に矯正専門医では原価割れしちゃう思いますから、

 

成人矯正はできればちゃんと100万円程度支払って

 

経験豊富・症例数の多い矯正認定医がいる歯科医院でされることを強くおススメしています。

 

技術料や先生やスタッフの人件費、テナント料、

空調・電気代、設備費、施設維持管理費などその他諸々の諸経費って、

医院が存続してある程度のレベルを保つためには必ず必要なのはわかりますよね?

(青空の下でフリマみたいに矯正してたら怖いでしょ?)


その上、非常に高価な材料代!!

(あんなにシンプルな構造体でありながら精密に歯がうごくようにするために、

ものすごい技術が製品に仕組まれているのです。

特にガムメタルはメタル代が半端ではなく高い!

透明なブラケットや白いワイヤーも結構高額!

精密高級時計が高いのは何でかわかりますか?

矯正の材料も同じように高いのです!)



 

それから、ブラケット除去する時にエナメル質が耐えてくれるかどうか、

とか、力のかかり具合で歯や骨がちゃんと反応してくれるか、とか、

ゴムをかけないと噛まないよって言ってるのにサボっちゃう患者さんとか、

歯を磨かないと途中で装置をいったん外すことになるぞって半分脅してもどうしても上手に歯が磨けない患者さんとか、

予約制なのにいつも遅れて来たりスッポカす癖がある患者さんとか、

とにかく、人(生体)が相手の医療行為(完全オーダーメイド)だから、

歯科医のストレスは半端なく大きいのです。


 

たぶん、人件費が高い日本の歯科医院では矯正をしてくれている歯科医院は良心的で、

勉強熱心で理想をもっているんだと思います。


 

安くて場当たり的に歯を削られたり、

神経を抜かれることに抵抗を感じない保険診療で十分と思っている患者さんや先生には

たぶん縁がない苦労だと思いますよ。


 

保険治療の究極は総義歯です。

医療が高度でなかった時代は、

皆、歯が痛くなったら抜き、

放置か、入れ歯をしていたわけでしょ?

現在、保険治療しか受けていない人の口の中は、

最終的には、総入れ歯が主流です。

予防に力を入れる医院が増えてきたりしていても、

歯並びが悪いと結局は歯が段階を追ってダメになる確率が高いから、

最終的に抜歯本数が増えるのはしょうがないんです。

 

それを長い人生の間、くいとめるための治療法が歯列矯正。

見た目もよくなり、力のバランスもよくなり、歯も磨きやすくなるので、

将来の抜歯のリスクを減らすことができる!


 

大変だし、高価だけど、結構いいんじゃないでしょうか?