GMTマスターはロレックス唯一のパイロットウォッチとして、1955年に発表されました。きっかけは、パンナム航空が国際線を運航させるに当たり、2か国の時間が分かる時計を求めていたからです。つまり、GMTマスターはパンナム航空がロレックスに依頼したことから開発されたモデルです。次第にパイロットだけではなく海外出張が多いビジネスマンからも支持を受け、さらには海外旅行を楽しむ富裕層向けにゴールドを用いたモデルも発表されます。2か国の時間が分かるGMTマスターⅠ、3か国の時間が分かるGMTマスターⅡが並行して販売された時期がありますが。一見するとGMTマスターⅡに人気が集中しそうですが、GMTマスターⅠは日付のクイックチェンジが可能で、GMTマスターⅡは針を回すことで日付変更が可能となことからGMTマスターⅠも根強い人気があります。今回は査定する機会が多いGMTマスターⅠ、Ref.16700以降についてまとめてみました。

 

 

GMTマスター歴代モデル

1955年に発表されたRef.6542以降のモデルを年表にしてみました。

GMTマスターⅠ

1953年~1959年 Ref.6542

1960年~1980年 Ref.1675

1980年~1988年 Ref.16750

1988年~1999年 Ref.16700

GMTマスターⅡ

1983年~1988年 Ref.16760

1988年~2007年 Ref.16710

2007年~2019年 Ref.116710LN

2013年~2019年 Ref.116710BLNR

2018年~ Ref.126710BLRO

2019年~ Ref.126710BLNR

2021年~ オイスターブレスモデル

2022年~ Ref.126720VTNR

 

Ref.16700(1988年~1999年)

ベゼルのカラーバリエーションは「青×赤」と「黒×黒」の2種類です。

Ref.16750からの変更点

風防の素材変更

風防がプラスチック製からクリスタルサファイア製になりました。

ムーブメントの変更

ムーブメントがCal.3075からCal.3175へ変更され、振動数が19,800から28,800になりました。振動数が多い=精度の向上となります。Cal.3075、Cal.3175ともに日付のクイックチェンジ、つまり竜頭で日付の早送りが可能なムーブメントです。GMTマスターⅠではGMT針とベゼルの併用により、2か国の時間が読み取りできます。

マイナーチェンジ

バックルがダブルロックに

1995年頃にバックルがシングルロックからダブルロックへ変更されました。

夜光塗料がルミノバに

1997年頃には夜光塗料がトリチウムからルミノバに変更され、6時位置の表記が「SWISS-T<25」から「SWISS」、そして「SWISS MADE」へ変わりました。

 

Ref.16710(1989年~2007年)

1989年の発表当初、ベゼルのカラーバリエーションは「黒×赤」と「黒×黒」の2種類でした。「黒×赤」はその色合いから「コークベゼル」と呼ばれます。

Ref.16760からの変更点

ムーブメントの変更

ムーブメントがCal.3085からCal.3185へ変更されました。最大の特徴は短針が単独で動く点です。これによってGMT針とベゼルを併用することによって3か国の時間が読み取れるようになりました。

マイナーチェンジ

バックルがダブルロックに

1995年頃にバックルがシングルロックからダブルロックへ変更されました。

夜光塗料がルミノバに

1998年に夜光塗料がトリチウムからルミノバに変更され、6時位置の表記が「SWISS-T<25」から「SWISS」、そして「SWISS MADE」へ変わりました。「SWISS」表記は1998年~1999年のごくわずかな期間のみ生産されていました。ロレックスファンからは「オンリースイス」と呼ばれています。

「青×赤」ベゼルが加わる

1999年のRef.16700の生産終了に伴い、同年「青×赤」ベゼルがカラーバリエーションに加わりました。以前は「黒×黒」ベゼルが人気でしたが、今ではこの「青×赤」が一番人気です。「黒×赤」のコークベゼルに対して、こちらは「ペプシベゼル」と呼ばれています。

フラッシュフィットが一体型に

2000年にフラッシュフィットが分離型から一体型に変更され、堅牢性がアップしました。

王冠の透かし

2003年に風防の6時位置に王冠(クラウンマーク)の透かしがレーザー刻印されました。

横穴がなくなる

2003年にケースサイドにあるケースとブレスをバネ棒で繋げる横穴がなくなります。

レアモデル

スティックダイヤル

「GMT-MASTERⅡ」の「Ⅱ」の部分、上下に横棒が付いているのが上のノーマルダイヤルです。下のように横棒がないダイヤルがスティックダイヤルとなります。2005年~2007年に生産された個体の一部で確認されています。

Cal.3186搭載モデル

Cal.3186は本来、次世代機のRef.116710LNから搭載される予定でした。しかし生産中のRef.16710用のムーブメントが足りなくなってしまい、やむなくCal.3186が搭載されたというのが有力な説となっています。見分け方は二つあります。
・短針を単独で動かしたときに、
  GMT針がピクピク動く→Cal.3185
  GMT針が全く動かない→Cal.3186
・竜頭を一周回した時に、
  5時間進む→Cal.3185
  8時間進む→Cal.3186
ちなみに短針を単独で動かして調べる方法を「ウィグルテスト」と呼びます。「ウィグル(Wiggle)」は「ピクピク動く」という意味です。ロレックスはこのような情報を公開することはありませんから、この方法を見つけた人はすごいですね。

 

Ref.116710LN(2007年~2019年)

ベゼルのカラーリングは「黒×黒」のみとなりました。

Ref.16710からの変更点

ムーブメントが変更

Ref.16710の項目でも書きましたが、Cal.3185からCal.3186へ変更されました。

ベゼルがセラミック製に

アルミベゼルからセラミック製になり、キズに強くなりました。また、目盛りはプラチナ特殊コーティングが施されています。

ラグとリューズガードが大型化

ラグの2.7mmから4mmへと太くなりました。同時にリューズガードも大型化しました。そしてラグの横穴がなくなりました。

リューズの防水性能がアップ

ツインロック式からトリプルロック式へ変更されました。防水パッキンが2つから3つに増えました。その変更に伴い、リューズのクラウンマークの下にある刻印が「-」から「…」になりました。

インデックスの大型化、カラーリングの変更

インデックスが一回り大きくなり、視認性が向上しました。ロゴと秒針がコーポレートカラーであるグリーンになりました。

堅牢性が高いコマとバックルへ

コマの中央がサテン仕上げから鏡面仕上げとなり、中空から無垢となり重くなりました。さらにバックルもより頑丈な作りとなりました。

ルーレット刻印

ダイヤルと風防の間にあるステンレスの部分に「ROLEX」の文字が、6時位置の部分にはシリアルナンバーが刻印されています。この刻印を「ルーレット刻印」と呼びます。

マイナーチェンジ

夜光塗料が変更

2013年に夜光塗料がルミノバからクロマライトへ変更され、発光時間が8時間と倍に伸びました。

バックルの仕上げ変更

2015年にバックルの中板の仕上げが梨地から鏡面仕上げになりました。

 

Ref.116710BLNR(2013年~2019年)

GMTマスター初の「青×黒」のベゼルカラーリングとなりました。Ref.116710LNの発表から6年遅れての登場となりましたが、セラクロムベゼルで2色の色合いにすることが技術的に難しく、その研究開発に時間が掛かっていたのではと言われています。

Ref.16710からの変更点

Ref.116710LNと同じ内容となりますが、Ref.116710LNがロゴも秒針もグリーンであるのに対して、Ref.116710BLNRはロゴはホワイトで秒針はブルーとなります。GMT初の「青×黒」ベゼル、通称・バットマンと呼ばれています。

マイナーチェンジ

バックルの仕上げ変更

2015年にバックルの中板の仕上げが梨地から鏡面仕上げになりました。夜光塗料は発表当初からクロマライトです。

 

Ref.126710BLRO(2018年~)

11年ぶりに「青×赤」ベゼルが復活しました。実は2014年にRef.116719BLROというホワイトゴールドの無垢モデルが「青×赤」ベゼルを搭載して発表されています。このRef.126710BLROが発表されるまで、「青×赤」ベゼルはホワイトゴールド無垢モデルを所有した方の特権だったわけですが、ステンレスモデルにも搭載されてしまったというわけです。2018年にRef.126710BLROが発表されると同時に、Ref.116719BLROは黒文字盤から青文字盤へと変更されました。

Ref.116710からの変更点

ムーブメントの変更

Cal.3186からCal.3285へ変更になり、±2秒という精度を誇り、パワーリザーブは48時間から70時間へと延長されました。ダイヤルの6時位置にある「SWISS MADE」の「SWISS」と「MADE」の間にクラウンマークがスタンプされています。

ブレスレット

最大の変更点はブレスレットです。3連のオイスターブレスレットではなくRef.126710BLROでは5連のジュビリーブレスレットが採用されています。ドレッシーで華やかな印象がありますね。

マイナーチェンジ

ベゼルのカラーリングに変化

ベゼルの発色に変化があり、マークⅠからマークⅢまで存在すると言われています。マークⅠは初期生産分のわずかな期間のみとされていて、薄いカラーリングとされています。マークⅡ、マークⅢとなるにつれて、よりハッキリとしたカラーリングになったそうです。比べてみないと分からないレベルの違いだそうです。

 

Ref.126710BLNR(2019年~)

ムーブメントやブレスレットがリニューアルされた「青×赤」モデルの発表から1年後、「青×黒」モデルもリニューアルされました。

Ref.116710BLNRからの変更点

ムーブメントの変更

Ref.126710BLROと同じくCal.3186からCal.3285へ変更になり、ダイヤルの6時位置にクラウンマークがスタンプされました。

ブレスレット

こちらもRef.126710BLROと同じで、最大の変更点はブレスレットです。3連のオイスターブレスレットから5連のジュビリーブレスレットへ変更されました。

 

オイスターブレスモデル(2021年~)

Ref126710の発表とともにオイスターブレスレットからジュビリーブレスレットへ変更されましたが、2021年にオイスターブレスレットモデルが発表されました。個人の好みといったところではありますが、ジュビリーブレスレットの方が人気度としてはやや優勢といったところです。

 

Ref.126720VTNR(2022年~)

ベゼルのカラーリングだけでなく、レフティモデルが発表されました。当時は大きな驚きと話題になりましたね。初めて国内の二次流通に出た時は600万以上もの価格を付け、これに関しても大変驚いた記憶があります。

Ref.126710からの変更点

レフティモデル

リューズが左にあるレフティモデルとなりました。発表時は大きな話題となりました。デイト表示も左側になりました。ムーブメントはRef.126710と同じCal.3285を搭載しているので、内部で反転させたと思われます。

初のベゼルカラーリング

ベゼルカラーは「緑×黒」、「スプライト」と呼ばれています。ここでGMTマスターのペットネーム、いわゆる愛称をまとめてみました。
黒×赤:コーク
青×赤:ペプシ
青×黒:バットマン
緑×黒:スプライト
茶×金:ルートビア ※コンビモデル
黒×茶:カフェオレ ※コンビ、無垢モデル

 

GMTマスター買取価格表

更新日:2024年7月19日

 

GMTマスターⅡ ステンレス 

緑黒ベゼル ジュビリーブレス 

型番:126720VTNR

未使用品買取価格 300万円~

 

GMTマスターⅡ ステンレス

 緑黒ベゼル オイスターブレス 型番:126720VTNR

未使用品買取価格 282万円~

 

GMTマスターⅡ ステンレス

 黒青ベゼル ジュビリーブレス 

型番:126710BLNR

未使用品買取価格 285万円~

 

GMTマスターⅡ ステンレス

 黒青ベゼル オイスターブレス

 型番:126710BLNR

未使用品買取価格 265万円~


GMTマスターⅡ ステンレス

 青赤ベゼル ジュビリーブレス

 型番:126710BLRO

未使用品買取価格 350万円~

 

GMTマスターⅡ ステンレス 

青赤ベゼル オイスターブレス

 型番:126710BLRO

未使用品買取価格 323万円~

 

GMTマスターⅡ ローズゴールド×ステンレス

 黒茶ベゼル 型番:126711CHNR

未使用品買取価格 315万円~

 

GMTマスターⅡ イエローゴールド×ステンレス

 黒灰ベゼル 型番:126713GRNR

未使用品買取価格 318万円~

 

GMTマスターⅡ 

ステンレス 型番:16710

スティックダイヤル、M番、キャリバー3186搭載のZ番後半

お問い合わせ下さい!

中古品買取目安価格 ~165万円

 


GMTマスターⅡ 

ステンレス 型番:116710LN

中古品買取目安価格 ~170万円


GMTマスターⅡ ステンレス

 型番:116710BLNR

中古品買取目安価格 ~200万円


 

GMTマスターⅡ イエローゴールド×ステンレス

 文字盤3Pルビー 8Pダイヤ

 型番:16713RG

未使用品・中古品買取価格 

お問い合わせ下さい!

 


GMTマスターⅡ イエローゴールド×ステンレス

 型番:116713LN

中古品買取目安価格 ~180万円

 


GMTマスターⅡ WG無垢

 文字盤ブラック 型番:116719BLRO

中古品買取目安価格 ~385万円

 


GMTマスターⅡ ローズゴールド無垢

 黒茶ベゼル 型番:126715CHNR

未使用品・中古品買取価格 

お問い合わせ下さい!

 


GMTマスターⅡ WG無垢

 文字盤ブルー 型番:126719BLRO

未使用品・中古品買取価格 

お問い合わせ下さい!

 

GMTマスターⅡ WG無垢

 文字盤メテオライト 型番:126719BLRO

未使用品・中古品買取価格 

お問い合わせ下さい!

 

質船橋店限定価格となります!

お問い合わせの際は

『ブログを見た』と言って頂ければ

幸いです!

○未使用品買取価格の適応条件

・最新の保証書で、日付が1か月以内 ※1か月以降のものも、ぜひお気軽にお問い合わせ下さい

・付属品が全て揃っている

・当店の規定に基づき、未使用と判断できるもの

○中古品買取価格の適応条件

・保証書が無記載ではなく、最新の保証書

・付属品について年式相応のものが全て揃っている

・目立った傷や打ち傷がない

・バックル、リューズに損傷がなく正常に機能している状態

 

GMTマスターの買取・質は大黒屋質船橋店へ!!

いかがでしたでしょうか?以前はデイトナやサブマリーナと比べるとあまり人気が高くなかったGMTマスターでしたが、今ではサブマリーナを超えるほどの人気を誇っています。Ref.126710以降はベゼルのカラーリングだけでなく、ブレスレットも2種類存在しているため、自分好みのGMTマスターを選べることも理由の一つかもしれませんね。そして、Ref.126720VTNRはまさかのレフティモデルと話題性に事欠かないモデルですね。

 

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大黒屋 質船橋店

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