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 お茶席に行かせていただくのは、何十年ぶりだろう…(笑) 
 物心ついた頃には、母が自宅で開く教室に来られているお姉様方の間に座らせてもらって、お菓子をいただきお茶をいただき、お稽古をはじめ… そしてそれは、長女出産間際までつづきました。長女出産後は、茶道から遠のき、その長女はもう27歳になっております。
 今回、お知り合いからお誘いいただいて、母の入院中の病院の近くでしたので、気楽に行かせていただいたら、きっちりとされたお茶席で、一瞬たじろぎました。しかし、ある程度は身体が覚え込んでいるもので、自分でも驚きました。
 ご亭主様は、まだお稽古をはじめて間のないとのこと。しかし、もう亡くなれている大正六年生まれのお婆さまの、お宅(築百年を超えるとか…)、茶道具、お着物を、埋もれさせることのないようにと、こうして、お彼岸の中日に、お茶席をもたれたそう。
 我が実家の、路地やつくばいのある庭、茶室、数々の茶道具のことを思うと、人事ではございません。母もよくお茶事をとりおこなっておりました。娘の私は、裏方専門。けして進んでしていたわけではなく、やらされていた感が大きかったのが正直なところ。掃除は家やお庭の隅々まで。炭でいたるところ真っ黒になったり、後片付けで二週間は風を通す漆の器に部屋を占領されたり、懐石料理も色々なものを作りましたっけ… 
 私もそして孫達も、茶道から遠い生活で、母はとても悲しく思っていることでしょう… そらはずっとわかっていたことなのですが… なんとかよい方法を考えていかなければ、と今回、思いを新たにさせられました。 
 しかし、母から茶道を通して教わったことは、私という人間の基盤になっていることは間違いなく、俳句作りの基盤になっております。

 お庭に大きなミモザが花盛りで、ミモザの茶会と名づけられた、今回の素敵なおもてなしを拙い俳句にまとめてみました。写真とともにご笑覧くださいませ。


  雛の間の待合いとなる茶席かな

 
 待合いのお部屋には雛段が飾られており、優雅にお出迎えしてくださいました。お婆さまが亡くなられて以来、久しぶりに飾られたそうです。

  桜湯の桜蕾のままおわる


  軸に「梨花一枝春」の字春彼岸

  花器に二枝紅白の椿なる

  春一日黄交趾の黄の映えており



 床の間のお軸と花と香合
この香合の後名は「花喰鳥」 お聞きしたわけではないのですが、黄交趾(きこうち)ではないかと思いました。

  春日射し受け水差の下膨

 

  ガラス戸の向こうミモザの花盛り

  祖母からの茶道具着物お中日

 
  満たさるる筍ご飯曲げわっぱ

  朱の杯の酒にほろ酔う春の昼




 え?すみません… はい、私はこれ位ではほろ酔いにはなりません…(笑)

  クリスタルハープの響き春の庭


  クリスタルハープなるものを、はじめて見ました、聞きました。 お食事中のBGMにと、演奏してくださいました。とても優しい音色でした。

  湯のたぎる音のみありし春の刻


  この湯のたぎる音、昔から大好きです。そして、お手前の後半、柄杓で水をさす時の、水の音と、たぎりが一瞬止む間が大好きです。

  春彼岸桜模様に身を包み

 このお着物も、お婆さまのお若い頃のお着物だそうです。とても美しくかわいいお着物でした。

  黄一色金平糖の天こ盛

 これ、写真取り忘れて残念。金平糖は夏の季語ですが、淡い黄色の金平糖が天こ盛りに盛られ、それはまさにミモザの花のようでした。

  いただきしブーケたわわの花ミモザ



 とてもかわいいお土産をいただきました。


 とても温かい、素敵なおもてなしをありがとうございました。このご縁に感謝いたします。