もうすぐ日が昇る。


夜の闇は淡い七色の明るい空に変化しながら


月の白はその明るい空に一層映えて。



悲しみに明け暮れた一人の場所にも、


深い眠りから覚めようとしている人にも、


明日が憂鬱でベットに突っ伏している人にも、


ワクワクで明日が待ち遠しい人にも、


希望で膨らんだ胸が抑えきれない人にも、


人知れず山の奥で静かに眠る人にも、


明日が来るのを信じ疑わない人にも、


遠ざけたい過去が打ち寄せて来る辛い夜にも、


夜通し働いたその疲れた身体にも、


冷たい地べたで夜を明かし続ける人にも…


この世界に日が昇る。


ひとつ、同じ日の元に生きる。



誰一人としてこの太陽を独り占め出来ない。



どんな独裁者も


この世界を分け隔てなく照らし出すあの太陽を


支配する事は出来ない。


どんな独裁者も


その肩書きはたかが『自称』に過ぎない。


人を、世界を、自分の意のままにする事は不可能だから。



今日も日が昇る。


誰かを見捨てる事なく満遍なく全てを照らす。