ーパク・ソミンー

 

「社長・・・・・・?それに、死神のおじさん?」

 

トッケビという存在に再会して、私の目がおかしくなったのだろうか。サラへのコールをしながら、何度も何度も目を擦っては画面を観るが、画面の二人は記憶の中のサニーさんと死神さんに瓜二つ。いや、これはもう、タイムワープでもしてきたのかという感じ。あ、でも、記憶から比べると肌艶が良いわ。とか、くだらないことを考える。

 

「もしもし、ソミナ?」

「ねえ、今送ってくれた予告動画に映ってるのが主人公二人なの?」

「あ、早速観たんだ!」

絶叫を聞いた両親がすごい勢いで扉を開けたが、私がベッドの端に座って電話をしているのを見て気が抜けたような顔をした。

「ちょっと待ってね?」

サラに告げると、私は両親に向き直った。

「どうかしたの?」

ここは知らないふりを通す!

「どうかって、絶叫が聞こえたから」

と言う母に、

 

「あ、私はサラと電話でドラマの話してた!うるさかった?ごめんなさい」

と、ポーカーフェイスで答えた。内心気付いたばかりの強烈なニュースにまだ叫びたいくらいだけど。

「ならいいわ。サラちゃんにまた遊びにいらっしゃいって伝えてね」

とだけ言って、扉を静かに閉める母を待って、噛みつかんばかりの勢いでサラに問いかける。

「ねえ、このドラマ、ジュンソさんも観たって言ってたよね?ね?」

「うん、寝ないで観たって言ってたよ!ほんっとに面白いから!!それに主役の二人。ほんとに美男美女よね~」

「電撃結婚したって言ってたよね?それほんと?」

「ほんとほんと!すごいよねー!運命の二人って感じじゃない?」

「確かに……」

(間違いなく運命の二人ね。ドラマに興味のないあのキム・シンさんが徹夜で観たと言うなら尚のこと間違いない。この二人は、あの二人だ)

「すごいサプライズだわ」

「でしょ!!」

(うん、色んな意味でね)

「よし、早速観てみるね!」

と、サラに告げて、会話を終わると私はパソコンに飛びついた。

 

トッケビ刑事のデータをダウンロードすると、それを大型モニターに飛ばし、早速第1話をスタートさせると、懐かしい顔がオープニングから目に飛び込んできた。

(死神さんが出てないな)

そう思った私は、一話を見終えると、ネットで出演俳優のことを調べた。

 

調べてみると、二人の出会いから、結婚までのエピソードや、死神さんが刑事から俳優に生まれ変わるまでの経緯も写真つきで詳しく載っていた。

むしろ、今までよく気づかずにいたものだわ。と、思うと同時に、ケベックで話題になったときにすぐ教えてくれたっていいのに!と、思うソミンだった。

 

しかし、なんで今まで気付かなかったんだろう。

これだけ話題になっている上にタイトルも「トッケビ刑事」となれば、本当ならとっくに見ていてもおかしくない二人の写真なのに。

とは言え、理由は何となく自分でわかっていた。「トッケビ」というキーワードに引っ掛かって検索していればすぐに気付いただろうし、サラに勧められた時も内容を知ろうとしなかった。

怖かったんだ。自分の知るトッケビとドラマや昔話のトッケビがかけ離れていたらと思うと嫌だった。

そして、無意識に不安と戦うことから逃げていたのが、キム・シンさんと再会した今、パズルのピースのように穴の空いた場所にピッタリと嵌まっていた。

私が無意識に目を閉じて見なかったことが私を取り巻いているのではないかと、うっすらと気付いていたけれど、出来れば気付きたくないことや、知りたくないこと、知らないままにいたいことも沢山あると確信したのはこの時だった。

 

ソウルで改めてあの人と逢う前に、自分の中で整理をつけなければならないことが出来てしまったことにも気付いてしまった。

その鍵が、このドラマのストーリーや、社長や死神さんの生まれ変わりのタイミング、出会いの中にあるような気がした。

とにかく、放送が終わっているところまでドラマを観てみよう。

 

「再生スタート」

音声コントロールのターミナルマイクにそう告げると、私は無意識に瞑っていた目を開き、モニターを見つめた。

 

 

 

 

 

 

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