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今日は私が思う、主治医と担当医の違いについて。
病院などでは便宜的に、外来担当のえらい先生を主治医、入院担当の若手を担当医と呼ぶこともありますが。
主治医と担当医の根本的な違いは、
「自分の立ち位置をどこに置いているか」
だと思うのです。
言葉を変えると、
「患者さんその人にfocusしているか、
その患者さんに施す治療にfocusしているか」
ということ。
例えば。
・骨折してしまったので、整形外科の先生に手術をお願いする。
・狭心症に対して、カテーテルの治療を行う。
そういったケースでは、治療を行うときに、治療前後一時的に関わる、という形。
これは治療にfocusしている「担当医」的な関わり方です。
一方で、同じような一時的な関わりがスタートでも、
「先生にずっとついていきます!」
といって、関わりが続く医師・患者関係もあります。
(もちろん病院とクリニックでは役割は違うので、そういった側面も加味しての関わりにはなりますが。)
そういう、長く患者さんと関わっていく先生は、得てして「主治医的な関わり」をしていると思うのです。
主治医の立ち位置は
「患者さん自身のプロであろうとする」という意識があること。
例えば。
早期に治療した方がよい癌がみつかったとして。
でも、今こどもが受験を控えたとても大切な時期で、受験が終わるまではどうしても治療はできない、というとき。
病気的には早く治療したほうが良いのだから!ではなく、
早く治療した時と、受験が終わってから治療に専念するメリット・デメリットを、一緒に考える。
その人の価値観や、これまでのこどもとの関わりなどを考えて、一緒に悩むこと。
片方だけみるとベストではないところに、両方をみてベターな選択する。
ときにそれを上級医に怒られたり批判されたとしても(なんできちんと説得できなかったのか!と怒られたりします)、
患者さんの考えを代弁し、支持して、一緒に立ち向かう。
(こちら、以前私が関わった患者さんの実例です)
医学的なベストが、患者さんのベストではないかもしれない。
医師は医学のプロかもしれないけれど、
患者さんは「自分自身のプロ」。
患者さんのことを知らずに主治医にはなれない。
患者さんから患者さん自身のことの教えを乞い、「患者さんのプロ」に近づいていく。
それでも、いつまでたっても、患者さんご自身のことを、ご自身以上にわかる日は来ない。
その謙虚さと、わかろうとする姿勢。
それが主治医であり続けようとするときに問われる資質だと思うのです。
どんなに優れた術者でも。
その分野で右に並ぶものがいないような高名な先生でも。
技術や知識のみでは、
担当医にはなれても、主治医にはなれない。
主治医の資質とは、そんなnarrativeな要素でできている。
そのアナログで多様性に富む感じが、私は結構気に入っています。
いつまでも謙虚に、患者さんに教えを乞いながら、
主治医であり続けたいと思うのです
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