注意:個人の感想です。

コロリドの作品って、とりあえず走り出してから、走りながら行き先決めてるような感覚がある。「ペンギン・ハイウェイ」も、「雨を告げる漂流団地」もそう。作ってる側はどうかわからないけど、観てる側は終始何か心につっかえた感じを抱えながら観ることになる。そして最後まで収拾つかずに無理くり解決する。(「泣きたい私は猫をかぶる」はその点、気にならなかった気がする、内容忘れちゃったけど…。)
言うまでもなく、新海誠・ジブリっぽい映画を作ってみた感じなんだけど、足りてないし詰めてないしこだわりも感じないんだよなー…。かっこいいカメラワークと色彩表現と綺麗な情景が観れるだけの映像作品って感じ。結局「フミコの告白」が一番まとまってるまである。たぶんワンコンセプトの短編は面白いと思うの。ヨルシカの「夜行」のMVは好きだった。こういうただの映像美、情景美、心象美みたいなのが得意なんだろうなぁ…。

今作も、新海誠やジブリの映画で見たことあるやつがたくさん出てきた。
すぐに打ち解けあうBoy&Girl、異常気象、暑い季節に寒い気象、どんだけ走っても疲れない身体、いくら汗をかいてもベタつかない身体、何日もお風呂に入ってなくても匂わない身体と口、不意に現れる異形のモノ、半透明の生物、手を差し伸べてくれる行きずりの人々、優しい女将、気は良いが嫁に弱いご主人、初めての場所で初めての仕事をそつなくこなす主人公、古くから伝わる伝承、トンネルをくぐると異世界、凄そうなお婆、なぜか世話を焼いてくれるお姉さん、当たり前のように空を飛ぶBoy&Girl、右も左も分からない状況でちゃんと前へ進める主人公、純粋無垢ゆえに常に正しい主人公、なんやかんや知らぬ間に世界(街)を救ってしまう主人公、不思議出来事のあとはなぜかすべての悩みが解消され平和な日常が送られる…。

両親が警察に連絡すると思いきや、ちゃんと途中で電話連絡入れて親を安心させてたし、セカイ系ぽいのにあまり話はデカくならない。関係各所への取材とか、事象の裏を取ったり、原理とか法律とか難しい設定はなるべく端折って、ロケハンだけでやり過ごした感が否めない。
冒頭に出てきた真島先輩ってそのあと出てきたっけ…? 祭りの彼氏役を頼んだくだりはなんだったのか、「頼まれたら断れない性格」はこの件なくても伝わってるし、「彼女できた事ない」は別に伝える必要ないし特に大事なキーワードひとつもない…。ツムギの旅館での発熱ってほんとにただ体調崩しただけだったのか…? 息子が2日行方不明で母親の描写薄すぎない…? 古着屋の兄妹は結局どうなったのか…? なんで雪神さまが人を襲うようになったのか、まさかツムギ母の「なんで私だけ、もういいや」が発端なのか…? だからと言って人はそう簡単に神様を討伐しようとするのか…? 雪神に食べられた人は結局どうなるのが正解なの…?

(と、ここまで書いて、僕の感覚がズレてるだけかもしれないと思えてきた。)
めちゃくちゃに書いてるけど、注意:個人の感想です。