私はⅯくんという彼氏がいる事を私の両親に伝えた。

Ⅿくんは私と結婚も考えていると。

 

もちろん1度、

私の両親にⅯくんを合わせる約束になった。

 

だがその前に、

Ⅿ家のご両親と顔合わせする事となり、

 

今、私はⅯくんの車でⅯくんの実家に向かっている。

 

 

こんな状況でも、

Ⅿ家両親が納得しなくて結婚できなかったら

諦めもつくだろう。

 

そんな気持ちも私にはあった。

まず、ありえないのだが…。

 

 

私「手土産を持って行きたいな。

何か苦手な物とかあるかな?」

 

私がⅯくんに言ったら、

 

Ⅿ「そんな物はいらないよ。」

 

と言われたが、そんな訳にはいかないので、

かるい焼き菓子を持参した。

 

 

 

Ⅿくんの実家は都心からはかなり離れていて、

ここから職場や私のアパートまで車で来てるのかと思うと

ちょっとビックリした。

 

Ⅿ「何も無いところなんだけどね。

もうすぐ、俺の家が見えてくるから~。」

 

 

と、Y字の道になり左に曲がって車を少し走らせると

 

私「着いたよ。これが俺んちだよ。」

 

 

私の目に入ったのは

3階建ての隣りの家より少し大きいお家だった。

 

 

あれ?想像と違う・・・

 

 

そして、

隣りのもう一軒家が建ちそうな空き地に車を停めて。

 

Ⅿ「ここは駐車場と物置に使ってるから。

長旅お疲れ様。降りて大丈夫だよ。」

 

 

そう言われて、私は車を降りた。

 

私「Ⅿくんの実家大きなお家だね。」

 

Ⅿ「ああ。代々、木工所やってたからね。

不景気になる前におやじの代で会社はたたんだけど。」

 

私「そうだったんだ~。」

 

 

話しによると、

おじいさんが居るまでたくさん社員さんが居たらしい。

 

 

なるほど…。

だから時折、ボンボンの片鱗が見えるのか…。

 

以前、大学の卒業論文を書くのに家からの往復が面倒だからと、

3ヵ月だけ大学の近くにアパート借りて、1人暮らしした。

 

とか、

 

満員電車が嫌だから、行きの電車だけ追加料金払って

指定席で大学まで通ってた。

 

とか、

 

理解し難い事言ってたな。

 

ピアノ教室行くとその度にトミカ買ってもらうとか、

普通にあり得ないし。

 

 

 

なんて考えながら、

2人でⅯ家の門を叩いた。

 

Ⅿ「ただいま~。」

 

私「こんにちは~。」

 

そう言って玄関を開けると、

穏やかそうで可愛らしいⅯママが立っていた。

 

その奥のⅯくんのお父さんらしき人が立っていて

 

2人ともニコニコ歓迎してくれた。

 

 

Ⅿパ「遠くてビックリしたでしょ、

わざわざ来てくれてありがとうね。」

 

Ⅿマ「いつも、Ⅿからふーもさんの話は聞いてたのよ。

このスリッパ使って下さいね。」

 

と、言われ居間まで通された。

 

 

居間に入ってから、

私は持参した手土産を渡した。

 

私「これ、焼き菓子なんですが日持ちするので

良かったら食べて下さい。」

 

Ⅿマ「あら。ありがとう。」

 

 

Ⅿパ「ささ、ここに座って。」

 

私はⅯパパの言われるがまま席に座った。

 

私「あの。何か手伝える事ありますか?」

 

とⅯママに聞くと、

 

Ⅿマ「コーヒー出すだけだから座ってて大丈夫よ~。」

 

とニコニコしながら答えてくれた。

 

 

かなり歓迎ムードで、

Ⅿくんの両親は私に優しかった。

 

 

部屋に至るところにキルティングのパッチワークが飾ってあり

かなりすごい仕上がりなのだが、

全部ママが作ったものらしい。

 

私が凄いですねと褒めていると、

Ⅿママはとても喜んでくれた。

 

 

コーヒーも出そろって、

全員が席に着いて早々にⅯくんが発した言葉は。

 

Ⅿ「こうやって時間を作ってもらったのは、

俺、ふーもさんと結婚しようと思ってるから!」

 

だった。

 

え!もうその話するの??

 

私は黙っていた。

そして、Ⅿくんの両親の顔を見たら、

 

Ⅿパパに関しては初耳なんだけど!

と言わんばかりの目を大きくしてビックリ顔になっていた。

 

Ⅿパ「あ…そうなの?」

 

Ⅿママは少し困った顔をして、

 

Ⅿマ「私達は良いと思うけど、Ⅿの仕事は不規則だし

ふーもさんが満足いく収入も無いと思うのよ。」

 

ともっともな事を言ってきた。

 

Ⅿ「実際はⅯがいくらお給料あるか私は知らないんだけどねぇ。」

 

と、親の感なのか。息子の生活を見て分かってるのか。

ちょっと心配そうだった。

 

 

お母さま!それは知らない方がいいです!!

 

 

しかし、条件反射で

私はこんな事を言ってしまった。

 

私「一応、私25歳から一人暮らししてます。

22歳からアパレルで店長してまして、

これまで3社で店長して結果も出してきましたので、

共働きならなんとかなると思います。」

 

Ⅿ「ふーもちゃんは本当に仕事できるんだよ。」

 

Ⅿくんにとって仕事が出来る私は自慢なんだろな…。

まるで自分が出来るかのようにキラキラしていた。

 

 

Ⅿパ「私達はふーもさんが大丈夫なら

Ⅿとお付き合いを続けて結婚して欲しいとは思うが。

なんせ、私がⅯとあまり話してないからな。」

 

Ⅿマ「あなたの仕事の時間もあるけど、

Ⅿも出かける時間も帰宅も接点が少ないから仕方ないわよ。」

 

ⅯママはⅯパパの言葉をフォローしていた。

 

 

聞くところによると、Ⅿパパは

不景気になる前に会社をたたんで、社員の職場を探した後、

学校事務の資格を取って、

今は地元の学校で仕事をしてるらしい。

 

ただ、驚いたのはⅯパパは一級建築士の資格を持っていて、

趣味もたくさんあり、

Ⅿくんと違い家で知り合いを読んでBBQをするくらい

社交的な人だった。

 

 

実際、居間から庭が見えるのだが、

その庭も家が2軒建ちそうな位広くて、

そこは元は木工所があった場所らしい。

 

Ⅿママの趣味のガーデンと一般家庭に無い

ピザ窯が設置されていた。

 

Ⅿパパは所ジョージさんみたいなライフスタイルが

目標だと言っていた。

 

 

あと、いつも妻を愛してると言っていた。

 

 

 

ⅯパパとⅯママは

自立してる私をたいそう気に入ってしまった。

 

Ⅿくんは次男坊なのと、

お兄さんがまだ実家にいるので

同居は望んでないとの事だった。

 

 

Ⅿ「本当にⅯでいいの?」

 

とⅯママが言った時に、

 

私「こんな素敵なご両親の息子さんなんで。」

 

と、あえてⅯくんがいいとは言わなかった。

 

 

 

こんなしっかりした両親の息子なんだから、

結婚したら責任感が芽生えるかもしれない。

 

そんな期待すらよぎった。

 

 

 

色々話して、だいぶ打ち解けた頃。

 

そろそろ、帰る事となり、

 

Ⅿパ「ふーもさんのご両親にもよろしくお伝えください。」

 

と、Ⅿパパが私の顔をみてニッコリほほ笑んでくれた。

 

Ⅿママ「困った事があったら言ってね。」

 

と優しい言葉で見送ってくれたⅯママ。

社交辞令でも嬉しかった。

 

 

こうして、私のご挨拶は終わったのだった。

 

 

 

実はいくつか部屋を見せてもらって、

部屋はどこも綺麗で夫婦お互いの趣味を尊重している

素敵なお家だった。

 

 

私も実家が自営だが私が家を出るまでだが。

私の父親は厳格な人で仕事人間で

母も仕事を2つ掛け持ちしていて、

家族との思いでなんてほんの少ししか無かったので、

 

今後、何度かⅯ家にお邪魔するのだが、

Ⅿ家の両親に会う度に

こんな家庭に生まれたかったなと思えた。

 

 

多分、嫉妬していたんだと思う。

 

物心つく頃には

お母さんと手をつないだ記憶もなければ

小学生から親からの圧力で適応障害になっていた私。

 

 

 

このⅯくんの両親を見て

何故か結婚に希望が見えてしまった。

 

 

結果、離婚してしまったけど。

私が離婚する時も私を一切責めなかった

Ⅿ家のご両親には、今でも感謝しかないです。