Ⅿくんとの旅行は

付き合いを始めてからこれで4度目だろうか?

 

 

Ⅿくんは大人だが、

自分が経験が無い事はイメージが湧かないようで、

 

頼まれたとしても興味が湧かないと

何もしないし、予想すら出来ない事が分かってきた。

 

 

だから、私がサポートしてあげないと

とか、

私だけは理解してあげないと

という親みたいな気持ちも芽生えていた。

 

 

正直いうと、

ここまで想像力に乏しいし学習する意欲が無いのに

自信に満ち溢れてるⅯくんを

凄いなと思う事もあった。

 

 

 

なので、Ⅿくんは旅行が好きだけど

自分で旅行プランを考えた事ないからと

私に基本丸投げである。

 

これは結婚後も続き

ゴミ出しをした事ないから

5年間私にまかせっきりで手伝わない。

 

洗濯機や炊飯器もいじった事がなく何度かエラーをおこし

出来ない自分に不機嫌になる。

 

果物は皮をむいた物しか食べれないのに

自分でむいた事がないので

むかれるまで食べない。

 

 

色々できない男ではなく

やらない男だとちゃんと分かったのは

 

結婚して同棲してからだった。

 

 

 

 

さて、旅行当日。

 

Ⅿくんは現地で行けるところは色々回りたいタイプで

前日の夜に地元を出てその日の深夜に現地に到着し、

朝から遊びたいという

前のりスケジュールが定番になっていた。

 

まあ、車移動で運転はⅯくんなので

私は前日だろうが、当日だろうがどっちでも良いのだが。

 

私は仕事が終わってから合流。

 

前のりの宿泊先はビジネスホテル

 

これもこだわりがあり

Ⅿくんは大浴場のあるビジネスホテルが好み。

 

運転疲れもあり

私達はベッドで明日に備えてすぐ寝た。

 

 

今回は静岡でメインとしては

金目鯛の煮つけを食べる事。

 

他にも色々あったが、この頃の自分の記憶が曖昧だったり

写真も消去していて、思い出せない部分が多い。

 

静岡の伊豆高原まで行って大室山に行ったり、

伊豆牛を扱っている洋食屋に行ったり、

 

怪しい少年少女博物館なんてところも行った。

 

 

正直、私も楽しかった。

平日の旅行なので混雑も無いし

自然にも触れ合えて癒されるなと思った。

 

Ⅿくんは終始ご機嫌で、

その笑顔を見ていたら…

 

私と出会ってなかったら

こんなに旅行が好きになってなかったのかな?

 

なんて考えてしまった。

 

 

Ⅿくんと付き合ってから分かったけど

私はⅯくんにとって2度目の彼女だった。

 

1番目の彼女も年上で、

その彼女は仕事先の依頼主で

旦那さんもいる人だった。

 

つまり、オープンに出来ない関係だったのだろう。

 

 

色々、静岡の伊豆を回って

旅館にも到着し部屋で少しゆっくりした。

 

Ⅿくんはまだテンションが上がっていて

私にキスをして抱きしめてきた。

 

Ⅿ「ふーもちゃんと一緒に来れてよかった。」

 

私「・・・うん。」

 

 

いつものように強く抱きしめる感覚で

私の事が本当に好きなんだなって事は伝わってきた。

 

私「夕食の時間まで少しあるし、

露天風呂付の部屋だから少し入ってくる!」

 

私はかわすようにお風呂に逃げた。

 

 

結果、Ⅿくんも後から露天に侵入してきたが、

夕食の時間も近づいてきたので、

早々に出て食事部屋に向かうのだった。

 

 

個室だったので

まわりを気をにずゆっくり会話しながら食事が出来た。

 

目的にしていた金目鯛の煮つけが出てきた時は

本当にテンションが上がった。

 

地元だと、こんな大きな金目鯛は

見た事が無かった!

 

2人で1匹だが十分だったし、

金目鯛のお刺身も本当に美味しかった。

 

 

 

ご飯も美味しくて温泉も良くて

旅館も綺麗で個人的にはまた来たいと思えた。

 

もちろんその夜はⅯくんに求められてなすがまま。

そして、そのまま寝てしまった。

 

 

 

翌日は朝イチで部屋の露天風呂に入り

旅館の和朝食を食べて、旅館を後にした。

 

2日目は

私の好きな動物園巡り。

 

正直、道はまだ雪が積もっていたが

除雪されて道は確保されていた。

 

 

伊豆シャボテン公園と

iZoo【イズー】

 

が目的で、

iZooに関しては、爬虫類のテーマパークである。

 

シャボテン公園では

カピバラさんをメインに

ナマケモノやレッサーパンダなんかに会えて

 

私とⅯくんはナマケモノと写真を撮った。

 

Ⅿくんはいつもビクビクしながら餌やりしたり

腰を引きながら動物の頭をなでていた。

 

 

シャボテン公園と言うだけあって

もちろん知らないサボテンもたくさんあった。

 

 

 

iZooに関しては爬虫類だらけで、

ヘビのコーナーなんてあったのだが

 

巨大な白ヘビを肩に乗せて

記念写真が撮れるイベントがあり、

 

私が

 

私「一緒に写真撮りたい!」

 

と言ったら

 

Ⅿ「いいよ。」

 

とⅯくんがすんなり受け入れてくれた。

 

Ⅿくんは怖い話とか苦手だし高所恐怖症なのに、

私と一緒にお出かけする時は

なんでもチャレンジしてくれるし、

私には無理に何かを勧めるとかしてこない事に

 

この時、初めて気が付いた。

 

 

私…Ⅿくんの良いところ見てなかったのかな…。

 

 

巨大ヘビの写真の後、

 

Ⅿ「冷たいしい、急に固くなるし。

ちょっと怖かったなw」

 

とⅯくんが苦笑いしていたので

 

私「一緒に写真撮ってくれてありがとう…。」

 

 

普段ケチなⅯくんだが

こういった時の写真は1000円取られようが購入する。

 

Ⅿくん曰く

 

Ⅿ「しばらくしてから、この写真を見ると

楽しい記憶がよみがえるから。」

 

と。

 

前の彼は今が楽しければというタイプで

そんな事言った事なかったな…。

 

そういえば、前彼とは旅行の写真も撮ってなかったかも。

 

私も思い出は大事にしたい。

 

 

 

手をつないで園内を回って、

その間も私は色々考えていた。

 

 

iZooを出た後はまっすぐ地元に帰る事に。

帰りはまた長くなるからと、

 

Ⅿ「眠くなったら寝て良いからね。」

 

と言ってくれたが、

Ⅿくんは私が目を瞑りかけると

タイミング悪くはなしかけてきた。

 

Ⅿくんはおしゃべりが好きだから仕方ないのだが…

 

内容としては旅行の思い出話みたいなものである。

しかも相づちを求めてくる。

 

だからあまり寝れない。

 

 

 

こうして、私達の旅行は無事に終わったのだが、

Ⅿくんは次の日も休みで私は仕事。

 

 

私達は私のアパートで一息ついていた。

しばらくするとⅯくんが

 

Ⅿ「今日は遅いし泊まっていくね。」

 

と言ってきた。

 

いつもだと、私をアパートまで送ったら

そのまま帰るⅯくんが

今日は泊まりたいとか不思議だった。

 

私「私、明日は仕事で遅番にしてるけど、

10時には家出ないとだよ。」

 

と、私が帰ったほうが良いとうながすと。

 

 

Ⅿくんは少しだまりこんだ。

 

私は、Ⅿくんの微妙な顔に何か違和感を感じた。

 

この顔は以前見た事が何度かある。

 

そう思い。私も沈黙したのだった。