私はⅯくんに別れを告げた。

 

 

次の日もその次の日も連絡は無かったので、

2人の関係は終わった物だと思っていた。

 

普段のメールのやり取りも2,3件くらいだったので

生活が変わる事は無かった。

 

 

いつもの様に仕事をして、

終わったので携帯ゲームをしようと

携帯を確認したら、

 

 

Ⅿくんからメールがきていた。

 

Ⅿ『今日、仕事早く終わったから会いにいくね』

 

 

あれ?今更メールとかやっぱり納得いってなくて

やり直したいとかかな?

 

私は単純にそう思った。

 

私『私は会うつもりは無いよ。

もうメールも来ないと思ってたし。』

 

そうⅯくんに返信したら

 

Ⅿ『近くで仕事だったし、ご飯おごるから話そう。』

 

という内容だった。

 

 

私はこうなるとしつこいを分かっていたので、

 

私『おごってくれるなら良いよ』

 

と返信して、

Ⅿくんが職場近くに来るまで待っていた。

 

多分、断ってもアパートの近くまで来るだろうし。

ちゃんと話せば分かるはず!

 

 

 

そんな事を考えていたら、

10分もしないうちに、Ⅿくんの車がやってきた。

 

 

Ⅿ「ふーもちゃんお疲れさま。」

 

Ⅿくんはいつもどうりの笑顔で話しかけてきた。

本当にいつもどうり。

 

だが、私はⅯくんに対して真顔で

 

私「お疲れ様。」

 

だけ言った。

 

Ⅿ「仕事で残業が続いていてね。

やっと、時間が取れたけど、今回の仕事が……」

 

いつものように、自分の仕上げた話しを始めたⅯくん。

私は窓を見ながら聞いていた。

軽く相づちをうっていたと思う。

 

 

私達はファミレスに行き普通にご飯をしたが、

その時もⅯくんはギクシャクもせず

いつもどおりのⅯくんだった。

 

私の態度なんて気にせず

ずっと喋ってるし、ニコニコしていた。

 

 

なんか…調子が狂うな。

ここを出たらちゃんと話さないと。

 

 

そう思い、食事も済んで

Ⅿくんがお会計をしてくれたので

私は一言お礼を言った。

 

 

 

帰りの車でⅯくんが

 

Ⅿ「明日はT市で仕事で、ふーもちゃんちから近いから

今日は泊まっていくね!」

 

と言ってきた。

私はビックリした。

 

私「ちょっとまって!

この前、私が別れたいって言ったら

分かったよって言ったじゃんw」

 

私がとっさにそう言うと

Ⅿくんはキョトンとした顔をして、

 

Ⅿ「分かったよっていうのは、

ふーもちゃんの話してる内容が分かったって事だよ。」

 

私「??」

 

Ⅿ「俺はふーもちゃんが好きな変わらないし、

そういうのふーもちゃんの悪い癖だと思ってるから。

俺は気にしないからね。」

 

 

ん?どういう解釈??

 

 

私「気にしないとかじゃなくて、

価値観が合わないんだって。」

 

私が少し困った顔をして話すと、

Ⅿくんは優しい笑顔で、

 

Ⅿ「おうち着いたら話そう。コンビニ寄ってく?」

 

と言い、

結局、コンビニで飲み物を買って、

私のアパートで話す事となった。

 

 

 

アパートに帰ってきた私は

机を真ん中にⅯくんと向き合っていた。

 

私はちゃんと理解してもらおうと思った。

 

 

私「Ⅿくん。この前もはなしたけど

私とⅯくんじゃうまくいかないと思うの。」

 

Ⅿくんは黙って聞いている。

 

 

私「Ⅿくんは2つ下だけどいろんな話が嚙み合わないし、

私が好きなものとか薦めても興味示さないのに

同じ物を他人が薦めたり、

やテレビで紹介されてたら気になっりしてるでしょ?

そういうのも嫌だったんだよね。」

 

Ⅿ「それはその時の気分だと思うよ。」

 

 

私「Ⅿくんは私があげた物を大事にしないし、

失くしたりするでしょ?その時にごめんって

言葉も無いのも嫌だったし。」

 

Ⅿ「気に入ってるし、

大事にしてるつもりなんだけどな~。」

 

私「大事にしてたらドアノブを

プレゼントされた財布はさんで開けないよ。」

 

Ⅿ「やる人はいると思うよ。

でも、あれ以降やってないよ。」

 

 

私は立ち上がって、

 

私「最近、一緒にいても楽しくないの。

前より好きじゃないんだよ。

申し訳無いから、本当に別れよう。」

 

今度こそちゃんと言ったと思った。

 

 

そうすると、Ⅿくんも立ち上がり

 

Ⅿ「ふーもちゃんは今そういう気持ちかもしれないけど、

俺は運命の人だと思ってるんだ。

これからもっと長く付き合っていきたいと思ってるのに、

たった1年ちょっとで決めてほしくないな。」

 

 

この時、私は『運命の人』というワードに

反応してしまった。

 

 

Ⅿ「あの時、ふーもちゃんのお店で

ふーもちゃんを見つけた時、本当にうれしかったんだ。

だからそんなことは言ってほしくないよ。」

 

 

そしてⅯくんは私の傍に近づき

私を強く抱きしめてきた。

 

 

Ⅿ「これからもふーもちゃんと居たい。」

 

 

この言葉にはⅯくん本当の気持ちと

Ⅿくんの今までにない力の入った抱擁で、

私の気持ちは緩んでしまった。

 

 

Ⅿ「価値観や趣味が全て当てはまる人間なんて居ないし。

それでもうまくいってるカップルはいるし。

俺は今の気持ちは変わらないから。」

 

この時の私はⅯくんの

『俺は変わらない』

の意味を勘違いしていたのかもしれない。

 

私に対しての気持ちだと思っていたけど、

Ⅿくん自身が変わる気が無いという意味だったのかと。

 

 

私「Ⅿくんの気持ちは分かったよ。

…まだ彼女として傍に居てあげる。」

 

Ⅿ「よかった。」

 

私「でも、私は前より嫌なのは嫌っていうし、

ダメなところも指摘すると思うよ。」

 

Ⅿくんの顔を見て私がそう言うと、

 

Ⅿ「あまり気にしないから、大丈夫だよ。」

 

と笑っていた。

 

 

 

こうして

Ⅿくんのこの時の言葉と雰囲気にのみ込まれた形で、

私はⅯくんをまた受け入れてしまった。

 

今思うと本当に流されやすいなと思う。

 

 

 

そして。

ここから、Ⅿくんが私を逃がさないために

色々仕掛けてくる事と、

 

翌年、私が発言した一言で、

結婚して半年でⅯくんが仕事を辞めるなんて

 

私は全く想像もしていなかったのである・・・。