これは私がまだ中学生の時に考えたお話です。

 

 

 

四つ葉のクローバー

 

 

 

 

 

とある町の近くに大きな川があり

 

川の近くには綺麗な草原がありました。

 

そこには色々な草や花が生えていました。

 

その一か所にクローバーたちが集まる場所がありました。

 

たくさんある三つ葉のクローバーの中に

 

ひとつだけ四つ葉のクローバーが隠れるように

 

ぽつんと立っていました。

 

 

 

三つ葉のクローバーたちは

 

四つ葉が自分達と見た目が違うので

 

四つ葉をからかったりバカにしたりしました。

 

『四つ葉のあいつはみんなと違う』

 

『遊んだら変なのがうつるから遊んであげない』

 

『気持ち悪いから関わるな』

 

・・・と。

 

 

 

四つ葉は友達がいません。

 

いつも落ち込んで下を向いていた。

 

しょんぼりしながら

 

自分なんてこの世界に生まれてこなければ良かった

 

と思いました。

 

 

 

みんな太陽に向かって上を向いているのに

 

四つ葉は折れ曲がり

 

みんなの目線に入らないように

 

四つ葉は体を地面につけて

 

毎日泣いていました。

 

 

 

 

ある日から、

 

夜なのに遠くの空ではピカピカ光ったり

 

昼間なのに地面が揺れたり

 

大きな音が響くようになりました。

 

 

 

この頃

 

人間たちは大きな争いをしていて

 

空には大きな戦闘機が飛んで

 

遠くではパンパンと大きな音や炎が上がっていました。

 

 

 

三つ葉のクローバーたちは

 

旅人の話をこっそり聞いて

 

人間達が争ってる事を知りました。

 

 

 

三つ葉たちは

 

『人間たちは馬鹿だ。ここは町じゃないからきっと安心だ。』

 

と、いつものように気ままに過ごしていました。

 

 

 

四つ葉は

 

誰にも必要とされていない。

 

早くこの世界から消えてしまいたい。

 

そう思う日々。

 

この日も目立たないようにひっそり隠れていました。

 

 

 

 

 

しかし。

 

隣りの町を攻撃した戦闘機のミサイルが

 

草原の方にまっすぐ向かってきました。

 

 

強い光と爆風が草原を走りました。

 

 

『うわーーー!!!』

 

草花たちは叫びました。

 

 

 

 

・・・・・

 

 

静けさが漂う中。

 

あんなに緑豊かだった草原は

 

地面がむき出しになり変わり果ててしまいました。

 

 

 

町から聞こえる音が止み

 

炎が弱くなり煙が上がって

 

しばらくすると、

 

町の方から少女が歩いてきました。

 

 

 

少女はボロボロになりながら川の方に向かって

 

ゆっくり歩いていましたが、

 

力尽きて倒れてしまいました。

 

 

 

 

 

どれぐらい時間がたったのでしょう。

 

少女のほほをさわさわと触るものを感じて

 

ゆっくり目を開けました。

 

 

 

そこには四つ葉のクローバーが寄り添っていました。

 

 

少女は言いました。

 

「こんな焼け野原になっても

 あなたは1人で生き残って・・・私と一緒なのね。」

 

 

少女は

 

力をふりしぼって起き上がり

 

四つ葉をつんで胸ポケットにしまいました。

 

そしてまたゆっくりと川の方へ歩いて行きました。

 

 

 

 

四つ葉は思いました。

 

やっと自由になれる

 

旅立てると。

 

 

 

 

 

月日は流れて

 

青い屋根の白いお家が見えます。

 

 

 

書斎が見えて

 

おばあさんが孫に本を読んであげてます。

 

「もうすぐご飯だから続きはまた明日ね。」

 

おばあさんは孫に優しく微笑みます。

 

 

 

机には一枚のしおりが置いてありました。

 

孫がしおりにさわって

 

「このはっぱ蝶々さんみたいでかわいいね」

 

と言うと、おばあさんは

 

「このしおりはね。

 四つ葉のクローバーをはさんでるのよ。

 四つ葉のクローバーは幸せを運んでくれるのよ。」

 

そして、孫の頭をなでた。

 

 

「この四つ葉のクローバーがあったから

 私はあなた達にあえたの。本当に幸せよ。」

 

孫はにっこり笑いました。

 

 

 

 

おばあさんはあの後お守りとして、

 

ずっと四つ葉のクローバーを大切にしていました。

 

こうして四つ葉は孤独では無くなり

 

家族を見守り続けるのでした。

 

 

 

 

おわり